■要約
ミガロホールディングス<5535>は、「デジタルとリアルの融合で新たな価値を創造し、社会の課題解決に貢献する」という企業理念の下、AI・DXを基盤とし既存事業の深化と新規事業の創出を推進している。報告セグメントは、DX推進事業とDX不動産事業である。DX推進事業では、顔認証IDプラットフォーム「FreeiD(フリード)」の展開によるスマートシティAI顔認証事業と、主にAIソリューションを軸に「Salesforce」や「Amazon Web Services」を用いたDX支援を展開するAI/デジタルインテグレーション事業の2つに分かれる。DX不動産事業では、DX不動産会員を事業コアとし都心に特化した投資用不動産の開発から販売・管理までを展開している。なお、同社は、2023年10月2日に単独株式移転によりプロパティエージェント(株)(2023年9月28日に上場廃止)の完全親会社として設立された持株会社である。
1. 2026年3月期の業績概要
2026年3月期は、売上高57,532百万円(前期比11.3%増)、営業利益3,061百万円(同12.8%増)、経常利益2,347百万円(同10.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,434百万円(同3.1%増)となり、売上高、営業利益ともに過去最高を更新した。業績拡大の主因は、DX推進事業の収益改善とDX不動産事業の安定成長である。DX推進事業では、従来より先行投資を継続してきた顔認証事業及びデジタルインテグレーション事業の収益化、M&Aによる事業基盤拡充が着実に収益へ寄与し、セグメント利益は前期の75百万円から366百万円へ大きく改善した。これまで投資フェーズと位置付けていた事業が想定以上のスピードで黒字化し、収益化フェーズへ移行した点が大きなトピックである。
2. 2027年3月期の業績見通し
2027年3月期は、売上高65,000百万円(前期比13.0%増)、営業利益3,300百万円(同7.8%増)、経常利益2,450百万円(同4.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,500百万円(同4.6%増)を見込んでいる。DX推進事業の成長加速とDX不動産事業の安定成長を両立しながら、収益基盤のさらなる拡大を目指す方針である。DX推進事業では、課題認識や重点施策に大きな変更はなく、引き続きM&AとAI活用を成長戦略の中核とする。黒字化の背景にもなった顔認証事業については、導入実績や市場評価の拡大を踏まえ、リカーリング収益の安定確保を進めながら収益基盤の強化を図る。
3. 中長期成長戦略
顔認証を含むDX推進事業では2027年3月期に売上高50億円以上、DX不動産事業では「ドミナント戦略による参入障壁の構築」と「顔認証によるマンション販売の差別化」をさらに推進し、2029年3月期に売上高1,000億円を目指す。「FreeiD」の導入件数の拡大、デジタルインテグレーション事業における新規受注の増加、そしてミガロ不動産経済圏の広がりが極めて重要な成長ドライバーとなる見込みである。同社は、2025年3月期及び2026年3月期の2年間をシステム開発の拡大や人材育成、事業体制の構築・強化に向けた戦略的な先行投資の期間と定義していた。今後は、収益化されたDX推進事業での成長投資を加速させることで、高収益化を図り、2029年3月期のグループ全体で1,100億円の売上を目指している。
■Key Points
・AI・DXを基盤として、顔認証サービスやデジタルインテグレーション等の新規事業を創出し、既存事業であるDX不動産事業の深化を推進
・2026年3月期は売上高・営業利益ともに過去最高を更新。DX推進事業における先行投資が早期収益化
・積極的な先行投資とM&A等により、顔認証を含むDX推進事業では2027年3月期に売上高50億円以上、DX不動産事業では2029年3月期に売上高1,000億円を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木 稜司)
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