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四電工 Research Memo(8):株主還元を強化、連結配当性向60%程度及びDOE5.0%程度

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■成長戦略

2. 株主還元策
四電工<1939>は、「中期経営指針2025」の株主還元の基本方針として「連結配当性向40%以上、一時的に減益となっても減配しない方針」を掲げていた。しかし、「中期経営指針2030」期間は利益成長に伴う資本の蓄積が予想されるため、さらなる資本効率の向上が必要になる。そこで純資産の積み増しを抑制して資本構成の適正化を図るため株主還元方針を見直すこととし、「連結配当性向60%程度及びDOE5.0%程度を目安」とする方針に変更した。なお、株主還元にあたっては、株式流動性を極力低下させないことを念頭に、配当を中心とし、自己株式取得については、今後の検討課題とする。2026年3月期の配当は、前期の配当金65.00円(2024年10月1日付の株式3分割後の基準で換算)に対して12.00円増配の77.00円(中間期末32.00円、期末45.00円)とした。配当性向は48.6%である。そして2027年3月期の配当は、新たな基本方針に基づいて前期比7.00円増配の84.00円(中間期末42.00円、期末42.00円)、配当性向は60.2%を予想している。株主還元を一段と強化した形である。

サステナビリティ経営を推進

3. サステナビリティ経営
同社はサステナビリティ経営の推進にも取り組んでいる。2021年12月に「四電工グループサステナビリティ方針」を策定し、2023年1月には気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言に賛同するとともに、TCFDコンソーシアムに加入した。同年12月には「四電工グループ人権方針」を策定した。事業活動に関わるすべてのステークホルダーの人権尊重に取り組み、社会の持続的発展に貢献する。

同社の取り組み事例を見ると、2024年10月に高知県が発行するグリーンボンド(高知県令和6年度第1回公募公債)に投資した。同年12月には同社グループ初のオフサイトPPA事業となる二ツ池下池太陽光発電所(香川県三木町)が電力供給を開始した。2026年3月には3年連続となる「健康経営優良法人2026(大規模法人部門)」の認定を受けた。また、四国各県が行っている若者の就学支援及び県内就職の促進・雇用創出を目的とする制度の趣旨に賛同して2021年度から継続的に資金拠出を行っている。

また人的資本経営の一環として、2023年より従業員エンゲージメント調査を実施しているほか、職場の心理的安全性の向上を図ることを目的とするワーク型研修「部下との関わり方改革研修」などを行っている。また、同社農園で栽培したトマトのNPO法人への寄贈なども実施している。

新たな成長ステージに向かう

4. 弊社の視点
同社は電気工事から空調・管工事まで一括して提供できる技術力や高品質の施工力を強みとしており、建築設備工事の受注拡大に向けた運転資金を送配電設備工事から得られるキャッシュ・フローによって安定的に確保できる強みも備えている。2026年3月期の業績は、売上高が大型案件の反動で減収となったものの、受注採算改善や原価管理強化などの効果で減収影響を吸収し、営業利益は増益を達成した。そして利益率の向上を実現した。売上高が伸び悩む状況でも安定した利益を出せることを示した形であり、同社の継続的な取り組みの成果を弊社では評価している。さらに「中期経営指針2030」において、株主還元を一段と強化する方針を打ち出したことも評価したい。今後は一段の利益率向上に加え、首都圏・関西圏エリアへの展開が課題となるが、同社は「中期経営指針2030」において、計画的な人材採用・育成に加え、技術者の最適配置を推進する方針を打ち出している。こうした取り組みによって新たな成長ステージに向かうことが期待されるため、引き続き重点施策の進展状況に注目したい。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)
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