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シグマクシス Research Memo(4):特定の顧客への依存を排し顧客基盤を拡大、高いプロジェクト満足度を維持

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■事業概要

(4) 顧客基盤と代表的な案件テーマ
シグマクシス・ホールディングス<6088>の会社設立の経緯から、創業初期には特定の出資元や大口顧客への依存度が高かった。しかし、プロジェクトの品質が評価されたことで既存顧客との取引深耕や新規開拓が進み、上場後はブランド認知度の向上に伴って顧客基盤の拡大が加速した。加えて、伊藤忠商事との資本業務提携の効果もあり、現在では顧客ポートフォリオの分散が進展している。幅広い業界を代表する大手企業と直接取引を行っており、特定の顧客に依存しない収益構造を構築している。短期的な業績はコンサルティング案件の受注動向や大型案件の有無に影響されやすい面もあるため、案件数及び顧客数を着実に積み上げることで、事業基盤の安定化を図っている。

過去3年間の上位10クライアント売上高占有率は、2024年3月期52.0%、2025年3月期54.2%、2026年3月期46.7%となっており、おおむね50%前後のレンジで推移している。一方、顧客企業数は165社前後、プロジェクト数は940件前後で推移している。2026年3月期は、大型案件のサービスイン進展などを背景に上位10クライアント売上高占有率が低下した一方、顧客ポートフォリオの見直しを通じてプロジェクト数及びクライアント数は増加した。プロジェクト数は956件(前期比33件増)、クライアント数は171社(同16社増)となり、結果として契約当たり売上高は24.3百万円(同2.5百万円減)となった。

顧客業種は、運輸、金融、情報通信、小売、商社、建設などが中心であり、事業年度ごとの大きな偏りは限定的である。また、KPIであるプロジェクト満足度(NSI※)は2026年3月期に97ポイントと高水準を維持しており、継続受注や顧客との関係深化を支える基盤となっている。

※ Net Satisfaction Indexの略で、プロジェクト満足度評価の各設問5段階評価結果の平均点。クライアントのプロジェクトオーナーにアンケート形式で実施。なお、5段階評価は、5:大満足100点、4:満足75点、3:どちらとも言えない50点、2:不満25点、1:大不満0点で配点。

2026年3月期に同社より公表された顧客案件テーマとしては、基幹システムのSaaS化支援、海外業務移管に伴う業務標準化・可視化、B2Cアプリの刷新、AIアシスタントの導入、大規模システム刷新におけるPMO支援、新規サービス立ち上げ支援などが挙げられる。これらの事例から、同社の支援領域がIT導入だけでなく、業務改革、デジタル基盤整備、顧客接点改革、新規事業創出まで広がっていることが読み取れる。

また、同社のパーパスに基づいた持続可能な未来社会の実現に向けた取り組みとして、培養肉未来創造コンソーシアムや日本Additive Manufacturing学会(日本AM学会)の立ち上げと運営を行うなど、複数企業の連携によるビジネスコミュニティのPMOとしての活動も積極的に行っている。

(5) 人材基盤と採用方針
同社の競争力を支える中核資産は、企業変革を後押しするコンサルタントであり、同社が「人財」と位置付ける人材基盤である。コンサルタントは、ビジネス、デジタル&IT、イノベーション、PMOなどの領域でクライアントの経営課題や事業課題に向き合い、戦略立案、業務改革、システム導入支援、事業推進などを担っている。キャリアパスは、コンサルタント、アシスタントマネージャー、マネージャー、プリンシパル、ディレクター、マネージングディレクターで構成され、事業の執行はコンサルタント出身の執行役員が担う。

人員面では、2026年3月期末のコンサルタント数は692名であり、同期間中に新卒81名、経験者47名を採用した。離職率は10~12%程度で推移しているとされ、一定の人材流動性を織り込みながらも、継続的な採用を通じて組織規模を拡大している。

また、専門性の面では、SAP S/4HANA Public Cloudの認定資格数は2026年3月末時点で329に達しており、基幹システムのSaaS化や業務基盤刷新といった領域で高い実務能力を持つ。これは、同社が近年強みとしているSaaS型基幹システム関連案件の遂行力を裏付ける材料の1つと言える。

採用方針としては、新卒採用と経験者採用の双方を通じて、多様な能力、経験、価値観を持つ「人財」を確保し、社内外の知見やネットワークを束ねながら価値創造を担う「アグリゲーター人財」を育成・確保することを重視している。人財育成においては、自律的学習を重視し、新卒向けの基礎研修に加え、配属後も社内外研修やオンラインコースなどを通じて継続的な能力開発を支援する体制を整えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正)

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