戸田工業<4100>は8月25日、持分法適用関連会社BASF戸田バッテリーマテリアルズ合同会社(BTBM)の全出資持分をBASFグループへ譲渡する件で、実行日および合弁解消日が同日(8月25日)に確定したと発表した。本件は2月26日に取締役会決議済みだったが、監督官庁の認可取得に時間を要し、実行日が延期されていた経緯がある。
業績面では、譲渡に伴う損失は既に2026年3月期に引当金繰入額として計上済みであり、2027年3月期連結業績への影響はない。ポイントは、BTBMが連結対象から外れることで、同社が負っていた債務保証6,086百万円が解除される点となる。バッテリー材料の合弁事業から撤退し、財務面の潜在リスクが消える形となり、事業ポートフォリオの整理が一段落したと評価できよう。
同社は、磁器の絵付け、歴史的建造物の彩色などに欠かせない顔料である弁柄の製造業として1823(文政6)年に創業、2023年11月に創業200周年を迎えた老舗化学素材メーカーである。酸化鉄で培った独自の技術と情熱で微粒子の可能性を深化させ、一世を風靡したオーディオ・ビデオテープなどで使われる磁性酸化鉄、複写機・プリンター向けのトナー用材料、自動車や家電などで使用されるモーターやセンサー用磁石材料、スマートフォンで多用される積層セラミックコンデンサー(MLCC)向け誘電体材料、電気自動車(EV)向けリチウムイオン電池(LIB)用材料などで事業を拡大してきた。現在、電子素材事業(磁石材料、誘電体材料、軟磁性材料、LIB用材料、ハイドロタルサイト)と機能性顔料事業(着色顔料・トナー用材料、触媒など、環境関連材料)の2つのセグメントで事業展開している。
2027年3月期第1四半期業績は、売上高73.47億円(前年同期比0.7%増)、営業利益3.72億円(同32.1%増)で着地した。機能性顔料事業では、祖業である着色材料の需要は好調に推移し、記録材においてはAIの急速な普及に伴うデータ量の増加とHDD供給の逼迫を背景に、低コストで大容量の長期保存が可能な磁気テープ(LTO)の需要が増加した。また、製品の価格是正活動の効果や販売構成の変化等も寄与した。電子素材事業では、磁石材料において高磁力・高耐食・高耐熱性を備えた希土類系ボンド磁石材料が伸長した。また、誘電体材料においてもAIサーバー及び周辺機器向けとして需要が好調に推移した。2027年3月期は、売上高290億円(前期比3.4%増)、営業利益10億円(同16.0%増)を見込んでいる。
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