2026年8月20日に発表された、AeroEdge株式会社2026年6月期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。
26年6月期 決算ポイント
森西淳氏(以下、森西):本日はお忙しい中、AeroEdge株式会社の2026年6月期決算説明会にお集まりいただき、誠にありがとうございます。AeroEdge株式会社代表取締役社長兼執行役員CEOの森西淳です。よろしくお願いします。
本日は、初めて当社をご覧になる方もいらっしゃると思いますので、まず簡単に会社紹介します。
当社は、航空機エンジンの部品メーカーです。世界で最も売れている「LEAP」エンジンに搭載されるチタンアルミ製タービンブレードを、グローバルシェア40パーセントで供給しています。
それでは、2026年6月期の実績についてご報告します。事業内容の詳細は、スライド45ページ以降に掲載していますので、併せてご参照ください。
2026年6月期の決算ポイントについてご説明します。まず、市場環境について、当社の主要製品であるチタンアルミブレードを搭載した「A320neo」ファミリーおよび「737MAX」は、需要拡大に伴い、受注残が引き続き高水準で推移しました。
業界全体においてサプライチェーン上の課題は継続しているものの、徐々に回復傾向が見られ、両機種ともに増産傾向にあります。
特に品質上の課題を抱えていた「737MAX」については、米連邦航空局による生産上限の引き上げを受け、増産を進めています。
当社の事業概況は、インフレなどを背景に各種コストは増加傾向にあります。一方で、主要事業であるチタンアルミブレードの需要は強く、販売枚数は両機種向けともに順調に増加しました。
さらに、新たに契約したチタンアルミブレードの新材料供給に関連し、利益率の高い受託開発売上を計上しています。
一方で、複数の新規案件を同時並行で立ち上げるとともに、人材採用を積極的に進めたことから、引き続き費用が先行しました。
新案件として、航空機エンジンA部品では追加エンジンテストが必要となり、量産開始が1年程度遅れましたが、B部品については量産を開始しています。その結果、チタンアルミブレードの販売増や受託開発売上も寄与し、売上高および利益は過去最高を記録しました。
数値の詳細については、後ほどご説明します。
その他のトピックとして、当期はチタンアルミブレードの新材料供給やシェアアップに向けた契約締結、それに伴う設備投資の決定、そして38億円の新規借入契約を進めました。
また、立会外分売や株式分割といった資本政策面での施策を通じ、株主さまの投資環境の整備に努めてきました。
当期は、オノプラント社を当社グループに迎えることができました。同社は国内大手重工向けに機体部品や防衛関連部品を供給しており、海外OEM向けエンジン部品を手がける当社とは顧客および製品の双方で相互補完の関係にあります。
グループとして、エンジン部品のみならず機体部品や防衛ビジネスへポートフォリオを拡大し、さらなる成長を目指していきます。
以上が、決算のポイントとなります。
AeroEdgeの成長戦略

各成長戦略の進捗状況についてご説明します。現在、当社は4つの成長戦略を進めています。
1つ目は「LEAP」エンジン用チタンアルミブレードの加工販売拡大、2つ目はチタンアルミブレード新材料の量産供給、3つ目は新規案件の拡大、4つ目はMROビジネスへの進出です。
4つ目のMROビジネスについては、現在、技術開発段階にあります。そのため、1つ目から3つ目の状況についてそれぞれご説明します。
成長戦略の進捗状況

まず、スライド左側に記載されている「LEAP」用チタンアルミブレードの加工販売についてご説明します。
「LEAP」エンジンは、世界で最も売れている航空機エンジンであり、需要が拡大しています。チタンアルミブレードは加工が非常に難しい部品であり、世界で当社を含めた2社のみが供給しています。また、当社は2034年までの長期契約を実現しています。
当社の現在のグローバルシェアは40パーセントですが、契約により40パーセント台後半に拡大する予定です。そのため、キャパシティ拡大を目的に約24億円の設備投資を進めています。
成長戦略の2つ目は、スライド左側から2つ目に記載されたチタンアルミブレード新材料の量産供給です。
チタンアルミブレードの材料は現在、欧州企業1社のみが供給していますが、当社は材料供給から加工までを担う垂直統合と収益拡大を目指し、数年にわたり新材料の開発に取り組んできました。
その結果、新材料の量産化にめどが立ち、早期にSAFRAN社との供給契約を締結することができました。
チタンアルミブレードを材料から加工まで一貫生産できる企業は、世界で当社のみと認識しています。現在、量産開発を加速するとともに、合計26億円の設備投資を進めており、2027年初めには量産工場が完成する予定です。
2028年から2029年頃をめどに、自社で加工するチタンアルミブレードの全量を新材料に置き換えることを目指しています。
成長戦略の3つ目は、新規量産案件の拡大です。スライド左側から3つ目の航空機エンジンA部品について、「LEAP」以外のエンジン用部品であり、販売先もSAFRAN社以外となります。
本来であれば今期に量産を開始する予定でしたが、顧客側で追加のエンジンテストが必要となったため、量産開始が1年程度遅れる見込みです。
スライドの左側から4つ目の航空機エンジンB部品も「LEAP」ではない別のエンジン用部品であり、SAFRAN社以外のグローバル航空機関連メーカーが顧客となります。量産難易度は高かったものの、早期に量産を開始し、2027年6月期から収益化する予定です。
なお、売上規模としては航空機エンジンB部品のほうが大きくなると考えています。
当社LEAPチタンアルミブレード売上と、エンジン、機体生産量の関係

当社の売上がどのように決まるのかをご説明します。初めて当社をご覧になる方は、スライドをご理解いただければ、以降の数字が理解しやすくなるかと思います。
スライドを上から順にご覧ください。起点はAirbus社やBoeing社が「A320neo」や「737MAX」を月に何機生産するかというところから始まります。機体1機にはエンジンが2基搭載されます。ただし、「A320neo」では競合エンジンとの選択制となっており、「LEAP」エンジンの搭載比率は現在約7割とされています。
その「LEAP」エンジン1基には、当社のチタンアルミブレードが百数十枚搭載されており、この必要枚数のうち40パーセントを当社が契約に基づき供給しています。
つまり、機体の生産レートが上がると、エンジン基数やブレード枚数、そして当社の売上に直接連動する構造となっています。
現在、ブレードの材料はSAFRAN社から無償で支給されており、当社の売上は加工代に相当します。逆に言えば、材料を当社が供給することで、1枚当たりの売上と利益を大幅に拡大することが可能です。これが、チタンアルミブレードの新材料供給を目指す狙いです。
LEAP市場動向(A320neoファミリー・737MAXの受注残機数)

航空機種類別の受注残機数の状況をご説明します。当社のチタンアルミブレードが搭載される「A320neo」「737MAX」「C919」は、航空機市場で最も受注残が多い3機種です。
「A320neo」は約7,400機、「737MAX」は約5,400機と、それぞれ12年程度の受注残が積み上がっています。また、中国COMAC社製の「C919」も多くの受注残が残っています。これらはコロナ禍後の航空需要の急拡大に伴い、中小型機の需要が急速に高まっていることによるものです。
サプライヤー不足などにより、この高水準の受注残を消化するのに時間がかかっていることが業界全体の課題となっていますが、各社は対応のために増産を進めています。チタンアルミブレードの販売も間違いなく成長していくと考えています。
LEAP市場動向(A320neoファミリー・737MAXの受注・納入機数)

「A320neo」および「737MAX」の受注・納入状況についてご説明します。
スライド左側は「A320neo」の状況となります。2026年上半期の月間平均納入機数は45機ですが、Airbus社は2027年までに月産70機から75機まで生産を引き上げることを公表しており、生産拡大が期待されます。
なお、2026年上半期の納入機数は前年の51機と比較して減少していますが、これは主に「LEAP」エンジンの競合エンジンである「PW1100G」の納入遅れが影響しています。そのため、中長期的には当社製品が搭載される「LEAP」エンジンには追い風になると考えています。
スライド右側は「737MAX」の状況です。品質問題の影響で2024年の月間平均納入機数は22機と大きく減少しましたが、2026年上半期には40機と急増しています。さらに、FAAの生産上限引き上げもあり、現在は42機まで増産が進行しています。
Boeing社によれば、2026年度中には47機、その後52機まで増産する見込みであり、今後のさらなる拡大が期待されます。両機種ともに、供給課題は継続しているものの、中長期的には拡大すると考えています。
LEAP市場動向(LEAPエンジンの納入基数)

SAFRAN社とGE Aerospace社の合弁企業であるCFM International社による「LEAP」エンジン全体の納入基数の推移です。
ご案内のとおり、「LEAP」エンジンの生産数と当社の販売数は高い相関関係があります。「LEAP」エンジンの2025年7月から2026年6月の納入基数は2,103基であり、前年同期の1,472基から約43パーセント増加しました。
決算の状況について、取締役兼執行役員CFOの今西からご説明します。
当社のLEAPチタンアルミブレード販売量(エンジン基数換算)の推移

今西貴士氏(以下、今西):AeroEdge株式会社取締役兼執行役員CFOの今西です。よろしくお願いします。それでは、私から決算の詳細についてご説明します。
当社のKPIであり、売上高の前提となる、当社が販売しているチタンアルミブレードが搭載されるエンジン基数の推移についてご説明します。当社の現状の売上はチタンアルミブレードの販売に依存しているため、このKPIは当社の業績において重要な指標となっています。
当期に当社が販売したチタンアルミブレードが搭載されるエンジン基数は847基で、前期の639基から32.6パーセント増加しました。「A320neo」「737MAX」向けともに順調に増加していますが、絶対数としては「A320neo」向けが多く、伸び幅としては「737MAX」向けが高くなっています。
また、先ほどのご説明のとおり、「LEAP」エンジンを販売しているCFM International社が同期間に機体メーカーに納入した「LEAP」エンジン基数は2,103基となっています。そこに、当社のグローバルシェア40パーセントを掛けた数字は841基となります。
当社の販売数は847基相当で、概ね連動した水準となっています。
連結決算へ移行

決算数値をご説明します。当社は早期にオノプラント社を完全子会社化したため、連結決算に移行しています。ただし、当期は貸借対照表のみを連結しており、連結損益計算書にはオノプラント社の損益は含まれていません。
売上高については、単体と連結で同様です。一方、利益については、M&A関連費用に相当する分だけ連結の利益が減少しています。
売上高推移

売上高についてご説明します。当期の売上高は前期の約36億円から14億8,000万円増加し、過去最高の50億8,000万円となりました。増加率は41.2パーセントと高い水準を記録しています。
航空機エンジンA案件については量産の開始が遅れ、航空機エンジンB案件は量産を開始したものの、売上計上が2027年6月期からとなるため、2026年6月期にはこれらの売上は計上されていません。
チタンアルミブレードの販売増加に加え、新材料に関する受託開発で約3億円の売上を計上したことや、円安の影響により、期初予想の49億3,000万円、上方修正後の50億5,000万円を上回る水準で着地しました。
営業利益推移

営業利益についてご説明します。スライドは、営業利益の推移です。当期の営業利益は前期の6億5,000万円から4億9,000万円増加し、過去最高の11億4,000万円となりました。増加率は74.8パーセントと高い水準です。
新案件の立ち上げ遅れや人材採用の積極化による人件費などの各種費用の増加がありましたが、チタンアルミブレードの販売増加、利益率の高い新材料の受託開発による売上の計上、円安といった要因により、期初予想の8億1,000万円、上方修正後の予想10億7,000万円を上回る結果となりました。
その結果、営業利益率は前期の18.2パーセントから4.3ポイント改善し、22.5パーセントとなっています。
営業利益の増減要因

スライドは、営業利益の前期からの増減要因になります。営業利益は前年同期の6億5,000万円から11億4,000万円へと4億9,000万円増加しましたが、その主な増加要因は売上拡大による貢献利益の増加です。
売上増加は13億8,000万円で、それに伴う変動費の増加が3億2,000万円となり、結果として10億5,000万円の貢献利益が増加しました。また、平均取り込み為替レートが148円から152円に変動したことによる為替影響はプラス9,000万円となっています。
一方で、主な減少要因としては、人員増加に伴う人件費の増加が2億7,000万円となっています。この人員増加は主に新規案件への対応を目的とした増員によるもので、全従業員数は期末時点で約210名と、前期末から40名弱増加しました。
新案件の遅れもあり、減価償却費の増加は3,000万円程度となっています。また、オノプラント社の株式取得に伴うM&A関連費用が5,000万円発生しています。その他、生産拡大やインフレ、中東情勢の影響による燃料費の増加により、さまざまなコストが少しずつ増加しています。
以上が、前期と比較した場合の営業利益の増減要因です。
損益計算書サマリー

売上高と営業利益についてご説明しましたが、あらためて全体の数値をご説明します。
売上高は、前期の36億円から前期比41.2パーセント増加し、過去最高の50億8,000万円となりました。売上総利益は、前期の16億8,000万円から前期比36.9パーセント増加し、23億円となりました。
営業利益は、前期の6億5,000万円から前期比74.8パーセント増加し11億4,000万円となりました。営業利益率は、主に受託開発売上の影響により前期比4.3ポイント増加し、22.5パーセントとなりました。
経常利益は、設備投資に向けた借入増加による金利負担の増加がありましたが、営業利益の増加と為替差益の発生により、前期の5億6,000万円から前期比97.8パーセント増加し、11億1,000万円となりました。
最終利益である当期純利益については、前期に繰延税金資産を一括計上したことによる反動で法人税等負担が前期比で5億円弱増加しましたが、前期の7億3,000万円から前期比6.3パーセント増加し、7億8,000万円と増益を確保しました。
なお、単体決算と比較すると、営業利益以下はM&A関連費用に相当する分だけ連結利益が減少しています。ただし、全体としては当初の見込みを上回る結果となりました。
貸借対照表サマリー

B/Sについてご説明します。
B/Sはオノプラント社を連結化した影響により全体的に大きく増加しました。さらに、新材料の量産やシェア拡大に向けた生産能力増強のための大型投資を進めるとともに、新規借入を行った結果、総資産は122億6,000万円となり、前期から40億5,000万円増加しました。
また、オノプラント社の株式取得に伴い、8億8,000万円ののれんが計上されています。当該のれんは14年間で償却を予定しています。利益の積み上げが進む一方で、総資産が増加したことにより、自己資本比率は39.1パーセントとなり、前期から減少しています。
なお、現時点でのNet DEレシオはおおよそ0.6倍であり、安定的な営業キャッシュ・フローを見込む観点からも、デットファイナンスの余力はまだ十分にあると考えています。
キャッシュ・フロー計算書サマリー

キャッシュ・フローについてご説明します。営業キャッシュ・フローは、売上拡大に伴い運転資金が増加しましたが、利益の拡大と19億7,000万円の補助金の入金により、29億5,000万円のプラスとなり、営業キャッシュ・フローマージンは58.2パーセントでした。
補助金の入金がなかった場合でも、営業キャッシュ・フローは約10億1,000万円、マージンは20.1パーセント程度であり、一定の水準を維持できたと考えています。
投資キャッシュ・フローについては、新材料やマーケットシェア拡大に向けた投資を進めたことに加え、オノプラント社の株式取得に伴い、32億1,000万円の支出となりました。
結果、フリーキャッシュ・フローは2億5,000万円のマイナスとなりました。
財務キャッシュ・フローについては、設備投資に向けた新規の借入19億円を実行したことで13億1,000万円のプラスとなりました。以上の結果、現預金は前期から10億5,000万円増加し、26億2,000万円となりました。
以上が、2026年6月期の決算詳細です。
27年6月期通期予想のポイント

森西:2027年6月期の業績予想についてご説明します。業績予想のポイントについてです。市場環境について、顧客の需要動向から「A320neo」に加えて「737MAX」も順調に生産が拡大していくと見込んでいます。
こうした環境下における当社の事業概況については、チタンアルミブレードの販売数が前期と比較して順調に拡大すると予想しています。一方、航空機エンジンA案件については量産開始の遅れにより収益への貢献は見込めませんが、航空機エンジンB案件については量産の拡大により収益貢献が期待されます。
また、新材料の量産については供給を徐々に開始する予定ですが、数量としてはわずかな水準にとどまり、引き続き費用先行となる見込みです。さらに、新材料に関する受託開発売上については、前期と同レベルの金額を計上する予定です。
なお、新材料の量産やシェア拡大、引き合い案件の獲得に向けて、人員拡大および設備投資を継続する予定です。
その結果、チタンアルミブレードの売上増、エンジンB案件の量産拡大、並びにオノプラントの連結効果により、売上・利益ともに過去最高となる見込みです。具体的な数値については、後ほどご説明します。
中長期投資方針とキャピタルアロケーション

業績予想の詳細をご説明する前に、当社が考える中長期の投資方針とキャピタルアロケーションについてお話しします。
当社のチタンアルミブレード販売は、需要拡大により増加傾向にあります。また、高い貢献利益率を有していることから、売上増加に伴いさらなる利益率の向上が期待できます。一方で、航空機業界には高い需要があるものの、サプライヤー不足が継続している状況です。
これは、新型コロナウイルス感染症の影響でサプライヤーの淘汰が進行したことや、増産を見越した設備投資が不足していること、防衛需要の拡大により民間向け供給能力が不足していることなどが要因です。
その結果、エンジンOEMでの供給実績があり、地政学的に安定した日本を拠点とする当社への新規引き合いが増加しています。ただし、新規案件は収益への貢献まで2年から3年を要し、その間は人件費などの費用が先行します。
しかし、長期的かつ持続的な成長を目指すためには、一時的な先行投資を伴ってでも新たな案件を獲得することが必要であり、それが株主価値の向上につながると考えています。一方で、過度な先行投資が継続して収益率を大きく低下させる状況は適切ではないとも認識しています。
こうした考えのもと、当社は営業利益率を20パーセント程度の目安として、その水準を超える分について積極的に投資を継続したいと考えています。
また、配当などの株主還元についても、経営の重要課題として認識しています。成長投資を優先しつつも、将来のキャッシュ・フロー創出力の安定化を踏まえ、検討を進める予定です。
成長投資の資金源としては、営業キャッシュ・フローに加え、長期契約による収益裏付けを活用した銀行借入を優先し、Net DEレシオは1.5倍を1つの目途としたいと考えています。
エクイティ調達については最後の手段として位置づけ、大型の成長投資が見込まれる際に、営業キャッシュ・フローや借入で賄えない場合のみ検討します。
AeroEdgeの成長戦略

業績予想の前提となる各成長戦略の進捗および前提についてご説明します。
成長戦略の状況

1つ目の成長戦略である「LEAP」チタンアルミブレード加工について、航空機の増産やシェア拡大に伴い需要が拡大することから、2027年6月期でもキャパシティ拡大に向けた設備投資と生産性の確保を継続していきます。
2つ目の成長戦略である新材料について、2027年6月期は量産工場を含めた設備投資に加え、歩留まりの向上や原価低減を目的とした量産開発を推進していきます。同じ2027年6月期には少量販売を開始しますが、先行して費用が発生する見込みであり、本格的な収益化は2029年6月期以降になると見込んでいます。
3つ目の成長戦略である新規案件拡大についてです。航空機エンジンA案件は、2027年6月期での収益化は見込んでいません。2028年6月期の量産開始と同時にスタートダッシュを図るべく、生産性向上に努めていきます。
航空機エンジンB案件は、2027年6月期から収益貢献を見込んでいます。引き続き生産性の向上を図り、収益率の改善を進めていきます。また、非常によいニュースとして、顧客から長期的な増産要請が新たに寄せられたため、これに対応する増産の可能性を検討していきます。検討課題としては、工場スペースや人員リソースの確保、設備投資などが挙げられます。
オノプラント社は、航空機体のアルミ部品加工を主なビジネスとしています。しかし、AeroEdgeグループに加わったことで、さっそくチタン関連部品の引き合いが届く状況となっています。
グループシナジーに向けて少しずつ前進していると感じています。利益率の向上には2から3期かかると考えていますが、積極的に連携を進めていきます。
新案件の引き合いが増加傾向にあります。一方で工場スペースが不足している状況もあるため、その対応を検討しつつ、新規案件の獲得を目指していきます。
業績予想の詳細については、取締役兼執行役員CFOの今西がご説明します。
チタンアルミブレード販売量(主要KPI)見込み

今西:業績予想の詳細についてご説明します。ご説明のとおり、「A320neo」「737MAX」ともに需要は拡大傾向にあり、当社が販売するチタンアルミブレードが搭載されるエンジン基数は増加傾向にあります。
SAFRAN社との契約により、2028年からマーケットシェアが40パーセント台後半に上がる予定ですが、2027年6月期から一部のシェア拡大が前倒しで実施される見込みです。シェア拡大の割合は数パーセント程度を想定しています。
その結果、2027年6月期のエンジン基数は前期比28パーセント増加し、1,084基になると見込んでいます。絶対数では「A320neo」向けが大きいものの、伸び幅としては「737MAX」向けが大きくなる見込みです。
売上高·営業利益推移

売上高および営業利益についてご説明します。スライド左側は売上高見込みです。連結売上高は前期比56.4パーセント増の79億5,000万円と、過去最高を見込んでいます。
内訳としては、チタンアルミブレード加工が前期比20.5パーセント増の55億7,000万円、航空機エンジンBや受託開発売上を含むその他売上が前期比157パーセント増の11億8,000万円となり、加えてオノプラント社の売上として11億9,000万円を加えた見込みです。
なお、航空機エンジンBの売上は7億9,000万円に達する見込みですが、フルイヤーでの収益貢献ではないため、2028年6月期以降も一定の増加を見込んでいます。AeroEdge単体としての売上も前期比32.9パーセント増となり、過去最高の67億5,000万円となる見込みです。
スライド右側は営業利益見込みです。営業利益については、エンジンAの収益化が2028年6月期にずれる見込みであることや、のれんの償却、インフレによるコスト増加の影響があります。
しかし、チタンアルミブレードの拡大および航空機エンジンB案件の拡大により、前期比35.3パーセント増の15億5,000万円となることを見込んでいます。
営業利益率は、前期比3ポイント減の19.5パーセントを見込んでいます。オノプラント社の連結による売上増加もあり、利益率は20パーセントをわずかに下回る見込みです。しかし、各案件にしっかり取り組むことで、20パーセント以上を実現する余地はあると考えています。
営業利益の増減要因

前期と比較した営業損益の増減要因についてご説明します。営業利益は前期の11億4,000万円から15億5,000万円へ、4億1,000万円の増加を見込んでいます。なお、2027年6月期からオノプラント社の損益を取り込むため、参考としてその影響額をスライドに注記で記載しています。
その前提として、主な増加要因は売上拡大による貢献利益の増加です。売上増加が28億6,000万円、それに対応する変動費の増加が9億2,000万円となり、結果として19億4,000万円の貢献利益が増加しています。為替については前期同水準を設定しているため、影響はありません。
主な減少要因としては、新材料量産や新案件量産に向けた人員増加およびオノプラント社取り込みに伴う人件費の増加が6億8,000万円、増産ならびに燃料単価高騰、オノプラント社取り込みに伴う水道光熱費の増加が1億7,000万円、さらに航空機エンジンB案件の量産開始、チタンアルミブレードの増産や新材料の設備投資に伴う減価償却費の増加が3億5,000万円となっています。
減価償却費·人員·研究開発費·為替感応度

業績に影響を与える各種項目についてご説明します。減価償却費については、航空機エンジンB案件の開始、チタンアルミブレード増産、新材料向け設備により、前期から3億5,000万円増加し、7億6,000万円となる見込みです。
人員については、引き続き積極的な採用を行うことで、AeroEdge単体では前期から50名増加し260名となり、そこにオノプラント社が加わることで、連結ベースで321名となる見込みです。
R&D費用については、主に材料関係が中心となりますが、前期と同水準の1億6,000万円を予定しています。
想定為替レートは、1ドル152円を見込んでいます。売上および営業利益への為替感応度については、1円の円安で4,000万円から5,000万円のプラス、1円の円高で同額のマイナスを予想しています。
損益計算書サマリー

前期と比較した通期業績見込みについて、あらためてご説明します。
売上高は前期の50億8,000万円から56.4パーセント増加し79億5,000万円、営業利益は前期の11億4,000万円から35.3パーセント増加し15億5,000万円、経常利益は前期の11億1,000万円から28.9パーセント増加し14億4,000万円、当期純利益は前期の7億8,000万円から22.9パーセント増加し、9億6,000万円となる見込みです。
成長投資を継続しながらも、今後も順調に業績を拡大できる見込みです。また、業績予想の主な変動要因については、スライド29ページに記載しています。特に、取引先依存度や為替感応度が高い点については、ご留意いただきたいと考えています。
新規借入による資金調達の実施

資金調達の状況についてご説明します。チタンアルミブレードの新材料およびマーケットシェア拡大に対応するため、約50億円規模の投資を順次進めています。その資金を確保するために前期、銀行と合計38億円の借入契約を締結しました。
金利負担を最小限に抑えつつ、機動的な調達を可能にするため、そのうち20億円はコミットメントライン付タームローン、8億円は当座借越となっています。
その結果、現時点で38億円のうち11億円のみが借入実行済みであり、残り27億円については資金需要を見ながら適宜、借入を実行する予定です。
また、スライド右側のグラフに記載のとおり、2026年6月期末時点で26億円の現金預金を保有しています。さらに、未実行の借入27億円を加えることで、50億円を超える資金余力を確保しています。
年間23億円程度のEBITDAを考慮すると、資金余力はさらに拡大する見込みであり、今後の成長投資に対応する余力も十分であると考えています。
以上が、2027年6月期の業績予想です。
質疑応答:中東情勢が需要およびコストに与える影響について
今西:「中東情勢の影響はあるのでしょうか?」というご質問です。
森西:中東情勢により、需要への影響は現時点では一切ないと言い切れます。特に、受注残が10年分ある新造部品を生産している当社の部品には、まったく影響がありません。
一方で、燃料費の高騰によりコストが上昇していることは事実です。一部の副資材については調達が困難になり、調達元を変更した事例もありますが、現時点で業績に影響を与えるものはございません。
また、材料が無償支給であるため、他の製造業ほど現時点では影響を受けにくいと考えています。
質疑応答:「737MAX」と「A320neo」の生産機数の前提および関連状況について
今西:「予算の前提となる「737MAX」と「A320neo」の生産機数の前提はどのぐらいでしょうか?」というご質問です。
森西:前提として、AeroEdgeのガイダンスは、直接の顧客であるSAFRAN社の将来の発注見込みに基づいて作成しています。そのため、SAFRAN社が「737MAX」や「A320neo」の生産前提をどこに置いているのか、詳しくは把握していません。
ただし、その発注見込みは増減する可能性があるため、AeroEdgeではそのボラティリティを考慮して販売見込みを設定しています。
「737MAX」にフォーカスしてご説明します。その前提として、「737MAX」は直近で生産機数を伸ばしています。また、この夏には月産47機ペースとなり、新たにエバレット工場での生産ラインを稼働したことで、52機まで拡大する方針が高い確度で進むと考えています。
これ以上の水準については、Boeing社から具体的な計画は示されていませんが、受注残を考慮すると、さらなる増産の可能性もあると考えています。
「A320neo」ファミリーについて、「A320neo」はサプライチェーン上の課題により、昨年末に2027年度の生産目標を月産75機から「70から75機」に変更しました。現在、「LEAP」の競合エンジンである「PW1100G」の供給不足により、生産拡大に苦労していると見られます。
しかし、「LEAP」が順調に進み、生産拡大が進んでいることから、今後私たちへの発注も増加する見込みです。
質疑応答:チタンブレードのシェアアップ計画とその背景について
今西:「チタンブレードのシェアアップが以前より前倒しで今期から始まるという話について、計画が始まった背景や、シェアが40パーセント台後半からさらに高まる可能性はあるのでしょうか?」というご質問です。
森西:昨年締結した契約により、2028年からシェアが40パーセント台後半に上がる予定となっていますが、SAFRAN社側の要望があれば、その前の段階でシェアを上げることが可能です。
一定の増減はありますが、先方からのリクエストにより、2027年6月期から数パーセントシェアが上がる見込みです。その結果、シェア増加に伴いわずかではありますが販売単価が減少します。ただし、その影響もガイダンスに織り込んでいます。
また、こうした背景には、当社の品質や納期の実績、新材料開発への評価があると考えています。当社としては、増産に確実に対応できる生産体制の整備が、シェアを維持・拡大するための最大の要件と考えています。約24億円の設備投資を進めているのも、まさにこの目的のためです。
質疑応答:航空機エンジンA部品の量産遅延と対応について
今西:「航空機エンジンA部品の遅れの原因について教えてください。また、さらに遅れる可能性はあるのでしょうか?」というご質問です。
森西:航空機エンジンA部品に関して、何度か遅延が発生し、みなさまにご心配をおかけしており、誠に申し訳なく思っています。
ただ、航空機エンジンAについては、実際のエンジンに搭載してテストを行う、いわゆるエンジンテストまでは不要と顧客からうかがっていました。しかし、その部品の重要度から、顧客側でエンジンテストを追加実施することとなりました。
エンジンテストはその名のとおり、エンジンに搭載して行う大がかりなテストです。そのため、ほかの部品とまとめてテストを行う都合上、タイミングの調整が難しい状況にあります。
これにより、量産が約1年遅れる見込みです。ただし、顧客側の対応が必要な部分も多く、AeroEdge側の対応には限界があります。そのため、量産時には可能な限り垂直立ち上げを実現し、原価を低減できるように準備を進めていきます。
2027年6月期の業績見込みについては、収益は含まれていませんが、2028年6月期にその分しっかりと収益拡大ができるように進めていきたいと考えています。
また、これらの部品に関して、当社が受け持つ加工などに不安要素や遅れがあるわけではなく、あくまでも飛行安全をさらに高めるためのテストの追加となっています。その結果、将来的には非常に安心して乗れる旅客機やエンジンとして仕上がることになります。
あくまでも安全サイドに振ったテストであるため、安心していただければと思います。
質疑応答:航空機エンジン部品の量産と将来的な増産計画について
今西:「航空機エンジンBの状況をトータル的に教えてください。また増産要請について、そのポテンシャルを教えてください」という質問です。
森西:航空機エンジンB部品については、6月から量産を開始しました。現在、歩留まりなどを安定させ、お客さまの需要に応える生産体制を整えている最中です。2027年6月期には7億9,000万円の売上を見込んでいます。
ただし、通期フル生産体制での業績寄与ではないため、2028年6月期も一定の売上拡大を見込んでいます。
また、お客さまからは、AeroEdgeの中長期的な増産が可能かどうかについてのお問い合わせを多くいただいており、大変ありがたく思っています。これは、この事業を始めた頃から将来的な増産の可能性について話し合いを重ねてきた結果であり、当社の対応力や技術力がお客さまに高く評価されたことによるものです。
それが少し早まってお話をいただけている状況ですので、しっかりと対応していきたいと考えています。ただし、課題として工場スペースを含めたリソースの確保があります。当初の想定以上の増産には設備の導入や認証も含めて数期かかる見込みですが、しっかりとお客さまの需要に応える対応をしていきたいと考えています。
質疑応答:航空機エンジン案件の収益見込みと今後の増産計画について
今西:「航空機エンジンA案件と航空機エンジンB案件で、2027年6月期に3億円から5億円の利益拡大とのことでしたが、航空機エンジンA案件の遅れで、実際はどのぐらいを見ているのでしょうか?」というご質問です。
先ほどご説明のとおり、航空機エンジンA案件については2027年6月期の収益には含めていません。一方で、B案件のみが収益に寄与する見通しです。ただし、航空機エンジンB案件に関してはフル量産の開始が想定よりやや遅れており、下期頃になると見込んでいます。
その結果、今期の営業利益の上乗せ幅は、間接費も含めて2億円程度にとどまる見込みです。一方で、2028年6月期の上乗せ幅は増加すると考えています。そのため、早期に増産体制を整えて、3億円から5億円、またそれ以上の数値を目指していきたいと考えています。
質疑応答:新材料の量産進捗について
今西:「新材料の量産の状況を教えてください」というご質問です。
森西:新材料の量産に向けた進捗状況について、2027年6月期から少しずつ生産を開始し、2028年から2029年頃にかけて、自社のチタンアルミブレード材料の全量をAeroEdgeで生産することを目指しています。
今後の流れとして、すでにある開発用の鋳造炉を量産体制に活用し、少量での生産を今期から開始します。量産拡大のための鋳造用工場が来年初頭に完成し稼働する予定で、その後、工場で設備導入を行い、炉の認証取得後に生産を拡大していきます。
また、生産性向上のための量産開発も同時に進めており、業績に貢献するタイミングは2029年6月頃を想定しています。
質疑応答:新材料量産化に向けた課題について
今西:「新材料量産化に向けた課題を教えてください」というご質問です。
森西:チタンアルミは削るのが難しいうえに、鋳造も非常に難易度が高い材料です。その中で一番の課題は、歩留まりの向上と、それに伴う原価低減となっています。技術的には量産が可能だと考えていますが、収益性を高めるためには、歩留まり向上に向けた技術開発が最優先事項です。
例えば、専門的な話になりますが、余肉を多く使用すれば歩留まりは向上します。しかし、その一方で原価が上がるため、加工や材料の安定性を考慮し、最適なバランスを見つけることが現在の課題です。
質疑応答:新材料量産化に向けた課題について
今西:「チタンアルミブレード加工事業は、加工のみ手がけるビジネスで、利益率は非常に高いと理解しております。チタンアルミブレード新材料事業、さらに新規量産事業が今後さらに加わってくると、売上高が伸びるにつれて営業利益率の水準は低下してくるのでしょうか?」というご質問です。
ご質問のとおり、チタンアルミブレードの新材料を当社が手がけることになった場合、これまで材料はお客さまから支給されていましたが、チタンアルミの材料を作るための原料は、当社が自ら調達することになります。
そのため、コスト構造が変わり、利益率は確かに下がる可能性があると考えています。しかしながら、新材料を供給することで付加価値が生まれるため、利益の絶対額は増加すると考えています。
また、現状では材料を供給できる企業が世界で1社しか存在しない中、我々がそこに加わることになります。これにより、新材料と加工の両方を供給できる唯一の世界的プレーヤーとなることで、お客さまとの価格交渉力も長期的に強化されると考えています。
そのため、5年から10年という長期的なスパンで見た場合、全体的に利益率を向上させる要素が出てくるのではないかと思っています。
新規量産事業について、当社が現在取り組んでいる内容は、基本的に加工事業がメインとなっています。我々は材料の供給そのものを目的としているわけではなく、あくまでもチタンアルミブレードにおいては、材料を供給することで付加価値が高いと判断し、この事業を進めています。
そのため、他の新規量産事業も原則として加工事業が中心となると考えており、その営業利益率については、現在の「LEAP」チタンアルミブレードと同様にしっかりとした水準を維持していきたいと考えています。
質疑応答:オノプラント社のM&A状況とシナジー効果について
今西:「オノプラント社のM&Aの状況について、シナジーとして今進めていることを教えてください」というご質問です。
森西:オノプラント社について、グループ化後に、顧客である重工さまやオノプラント社のお客さまからの引き合いが、グループ化を契機に急激に増加し、私の想定以上の伸びを見せています。
具体的には、これまでアルミ部品が主だったものの、我々のグループに加わったことで、アルミに加えてチタンなどの難削材の引き合いが増えています。
そのため、シナジーが少しずつ生まれていると実感しており、その成果をなるべく早期に挙げられると考えています。ただし、新たな案件を取得するためには設備投資が必要となり、そのため収益の向上には一定の期間を要する見込みです。
また、私どもとしては、今後オノプラント社とさらに成長を目指していく方針です。その一環として、先日、約2日間をかけてオノプラント社の全従業員の方々と面談の機会を設けました。みなさま本当に優秀で、会社を大切に思っている方ばかりでした。
AeroEdgeの仲間となり、ともに成長していけるとみなさまが感じてくださっているため、連携を強化し、シナジーをしっかり発揮していきたいと考えています。
質疑応答:2027年6月期のオノプラント社の収益貢献について

今西:「オノプラント社の2027年6月期の業績貢献はいかがでしょうか?」というご質問です。
スライドの営業損益のウォーターフォールに、括弧書きでオノプラント社の費用等を含めています。差額での収益がやや見にくくなっており恐縮ですが、2027年6月期におけるオノプラント社の収益貢献は、売上高が11億9,000万円、営業利益が1億6,000万円程度を見込んでいます。
ただし、連結上でのれんの償却が6,000万円発生するため、連結全体としての利益貢献は1億円程度となる見込みです。
質疑応答:航空業界での参入障壁とポジションについて
今西:「10年後、20年後というスパンで、AeroEdgeはどう成長していくのでしょうか? 長期的な会社のビジョンを社長に語っていただきたいです」というご質問です。
森西:航空業界は今後20年以上にわたって成長し続けると言われる産業です。一方で、参入障壁が高いとされており、昨今の実情によりさらに障壁が高まってきています。このため、プレーヤーが限定されている特殊な業界です。
日本を見れば、OEMと呼ばれる企業と直接取引している企業は、残念ながらほぼ重工業の一部のみという状況です。その中で当社はエンジンOEM各社と直接取引を実現できている特異なポジションにあります。
今後も各機体OEMやエンジンOEMにとって不可欠なプレーヤーとなり、OEMに対して技術提案ができる水準を目指していきたいと考えています。
新材料の開発は、そのような動きの1つであり、これによりOEMにとって単なるサプライヤーではなく、パートナーとなり、その結果、グローバルでのプレゼンスを高めていきたいと考えています。
また、我々が目指すビジョンとしては、どこでも誰でもできるような事柄に関わるのではなく、ここでしかできないという技術的な付加価値や、それによる利益率など取るべきものをしっかりと確保していきたいと考えています。
そのためには、技術開発が重要となりますので、R&Dの費用や人材を含め、積極的に投資を進めていきたいと思っています。
質疑応答:ビジョンに対する課題について
今西:「ビジョンに対して計画どおり進んでいることや技術開発、足りないこと、今後強化・獲得に向けて進んでいる領域や技術は何でしょうか?」というご質問です。
森西:ビジョンに対しては、材料開発も含め、計画どおり進んでおり、実現に向けた状況が整っています。
また、先ほど航空機エンジンA部品に関する遅れについてお話ししましたが、それも過去にない、世界唯一の加工技術で対応しています。そのため、遅れは生じていますが、技術開発自体は計画どおり進みました。
さらに、航空機エンジンB案件についても、グローバルで比較した際、どの国やどの企業と比較しても、当社が最も高い実力を持っていると考えています。
評価を得られたことで、前倒しで増産の検討についての話もいただいており、計画どおり進んでいると言えます。この点については、非常に喜ばしい状況です。
一方で、課題としては人材の育成が挙げられます。また、すべての工程をまだ自社で完結できる状況にはないため、今後は内製化の検討をさらに強化していくことが重要だと考えています。
質疑応答:キャパシティと今後の投資計画について
今西:「全般的なキャパシティの考え方について教えてください」というご質問です。
現在、当社ではチタンアルミブレードのシェア拡大、新材料の供給、航空機エンジンのA部品およびB部品の4つの案件が進行しています。
そのうち、航空機エンジンA部品・B部品は基本的に投資が完了しており、残る投資はチタンアルミブレードのシェア拡大と新材料の供給で、合計で50億円となっています。このうち10数億円はすでに投資を完了しており、残り30数億円が今後発生する予定です。
まず、航空機エンジンA部品と航空機エンジンB部品については、現状、顧客から提示されている数年分の生産量を賄える見込みです。ただし、航空機エンジンB部品については、先ほど森西が述べたように、新たに増産の要請が来ており、これに対応するためには追加の投資が必要になると考えています。
チタンアルミブレードの加工と新材料については、現在、顧客からの発注見込みが徐々に増加している傾向にあります。そのため、実際にどこまでキャパシティが足りるかについては変動する可能性があるものの、2028年から2030年頃までは生産量を賄える見通しです。
我々は現在、先ほど森西が述べたとおり、新しい案件が多数寄せられています。今後、投資が必要となる場合は、工場のスペースの確保が課題となります。工場のスペース不足についてどのように対応するかが重要な話題です。
また、先ほど触れた航空機エンジンBに関連する投資が発生する場合、大規模な投資案件となる可能性があると考えています。
質疑応答:財務戦略および投資方針について
今西:「大型の投資と、それに対応したエクイティ調達はあり得るのでしょうか?」というご質問です。
当社としては、デットファイナンスを優先したいと考えています。当社は、製造業として物を作り、販売を行っているため、普通のIT企業やソフトウェア企業と比べて、物に裏付けを持たせたファイナンスは非常にやりやすいと考えています。
そのため、デットファイナンスを優先しながら投資を進めていきたいと考えています。また、Net DEレシオを1.5倍とすることを1つの目途としており、現状では0.6倍程度です。そのため、まだ40億円超の借入余力があると考えています。
その上で、それを超える魅力的な投資案件が出てきた場合には、エクイティファイナンスの実施も検討したいと考えています。
当然ながら、当社は営業利益を重視していますが、それ以上に1株利益も重視しています。そのため、希薄化を上回るリターンが見込めない場合には、エクイティ調達は基本的に避ける方針で投資を検討していきたいと考えています。
質疑応答:新規案件対応における課題と優先事項について
今西:「成長に向けた課題は何でしょうか?」というご質問です。
森西:課題があるのは当然ですが、技術的に難しい案件を進めているため、多くの課題が存在します。その中で優先順位が高いのは、新案件や難しい案件の生産性向上です。
また、それを実現するための従業員や人材の確保、さらに工場スペースの確保も重要と考えています。引き合い案件が増加していますが、それに対応するためには、それらを支える人材が必要であり、そのための工場スペースも必要です。
新規案件の量産安定化を早期に実現し、人材をその案件に振り向けていきたいと考えています。また、工場スペースについても長期的な視点で方向性を決定していきたいと考えています。
当社は難しい製品を多く扱っているため、人材の成長力が重要です。グループ企業であるオノプラント社とともに、一流人材を他社よりも早く育成できる企業体質になっていると自負しています。この強みを成長の観点でさらに強化していきたいと考えています。
質疑応答:受託開発売上の継続期間と新材料量産化の見通しについて
今西:「受託開発売上について、3億円を昨年計上しましたが、いつまで続くのでしょうか?」というご質問です。
受託開発売上は、2026年6月期に約3億円を計上し、2027年6月期も同水準を見込んでいます。この背景としては、顧客であるSAFRAN社から新材料の量産化に向けた開発を、ある意味受託したかたちで売上を計上するという構造になっています。
したがって、新材料のフル量産が始まるまでの間は、一定程度売上が計上できるものと考えています。先ほどのお話のとおり、新材料の量産は2028年から2029年頃にフル量産体制になると考えています。それまでは一定程度の売上を見込めるのではないかと思います。
それ以降については、受託開発売上は剥落することになると見ていますが、新材料の量産が始まることで、その分を十分にカバーできると考えています。
質疑応答:オノプラント社の連結初年度営業利益率と目標達成計画について
今西:「2027年6月期の営業利益率19.5パーセントは、20パーセントを下回っていないでしょうか?」というご質問です。
おっしゃるとおりです。キャピタルアロケーションのお話の中で「20パーセントをしっかり目指します」とお伝えしましたが、今期は19.5パーセントを想定しています。
オノプラント社の初年度の連結決算となりますので、売上が大幅に増加する影響もあり、利益率は20パーセントを下回っています。ただし、AeroEdge単体ベースでは、売上67億5,000万円、営業利益14億5,000万円程度を計上する予定で、利益率は21パーセント程度と見込んでいます。
オノプラント社については、先ほどお話ししたように新しい案件が多く進行していることから、確実に営業利益率20パーセント以上を達成できるよう進めていきたいと考えています。
質疑応答:2027年6月期末の人員計画について
今西:「2027年6月期はかなり増員見込みですが、達成できるのでしょうか?」というご質問です。
森西:2027年6月期末の人員は、AeroEdge単体で260名となり、前期末から50名増加しています。これにオノプラント社の61名を加えた連結計321名を計画しています。
当社は栃木県足利市を拠点としており、航空機部品事業、グローバルビジネス、上場、そして成長力に魅力を感じていただいていると実感しています。前期も約40名の増員を実現しました。
採用については、中途採用をメインとしつつ、新卒採用や外国人採用も進めることで、必要な人員を確保したいと考えています。
人員が増えることで人件費が先行し、営業利益の減少要因として最大の項目となる可能性があります。それでも採用を進める理由は、増加する引き合い案件に対応することが重要であるためです。これは、規律ある先行投資の一環としてご理解いただきたいと考えています。
質疑応答:航空機エンジンA・Bの材料供給と売上計上について
今西:「新規事業の航空機エンジンA・航空機エンジンBについて、材料は無償支給になるのでしょうか?」というご質問です。
航空機エンジンBについては、完全に無償支給となっています。航空機エンジンAについては材料が支給されますが、その後、有償で買い取るかたちになります。
そのため、航空機エンジンBは加工売上だけが計上され、航空機エンジンAについては材料を購入した分の売上が一部計上されるものと考えています。ただし、こちらの状況がいつまで続くかについては、途中で変更される可能性もあると認識しています。
質疑応答:今後のM&Aに対する考え方について
今西:「今後のM&Aに対する考え方を教えてください」というご質問です。
森西:オノプラント社とグループになったことで、ともに成長していけるとあらためて実感している最中です。それを着実に達成していきたいと考えています。
今後のM&Aについて、まだ不足している工程を担える企業さまや、製造業を支えるIT関連の企業さまなど、いくつかの選択肢があると考えています。また、MROビジネスについては特に特殊な領域であり、MROの認証を持つ企業さまが速やかに参画できるという業界特性もございます。
残念ながら、日本国内ではそのような企業さまは少ない状況ですので、海外のメーカーさまを視野に入れています。私たちの成長戦略をより強く実現するため、地域や国にこだわらず、成長を前提としたM&Aを今後も積極的に検討していきたいと思っています。
