そういえば温暖化問題ってどうなった? 武田教授が日本のジョーシキを論破

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水素自動車の開発や再生可能エネルギーの普及など様々な地球温暖化対策が講じられていますが、「そんなことをやっているのは世界中で日本だけ」と言い切る中部大学教授の武田邦彦さん。光合成には二酸化炭素が不可欠なのだから、むしろ増やすべし!と言います。

 

温暖化騒動をやめる勇気を与えるシリーズ 稲はCO2を食べている

『武田邦彦メールマガジン「テレビが伝えない真実」』2015.03.05号より一部抜粋

◆「温暖化」というウソに決別する勇気

1万年後の世界は別にして、これから100年ぐらいはなにも起こらないのに、世界中で日本だけが温暖化騒動を続けています。これは日本人が「ありもしない空気を自分で作り上げる」という癖を持っていることと、「一度、空気を作ると誰もウソであることを言い出しにくくなり、そのまま定着してしまう」という二つの理由によります。

こんな馬鹿らしいことを続けて、景気が悪くなってしまう、子供たちがウソを信じる、科学的考え方が排斥される……という風に日本がダメになってしまう前に、「ウソをやめる勇気」を持つ「科学的根拠」を示したいと思います。

第一回は、「稲は何を食べているか」ということです。

◆稲は二酸化炭素を食べて米粒を作る

もともと生物は何から何まで自分でできるもので、そうでないと「無生物の世界」の中で生きていくことはできません。その元となるのが、日本人なら誰でも知っている「光合成」です。生物のいない世界に誕生した最初の生物は、空気中に豊富にあった二酸化炭素と水を原料として使い、太陽の光をエネルギー源として、二酸化炭素から炭素を分離して体に取り込み、酸素はいらないので空気中に放出しました。

体に取り込んだ炭素は、タンパク質や脂肪層を作って自分の体を形作るとともに、日々の生活のエネルギーにしました。当然のことですが、生物は自分で生きていくためのエネルギーも、光合成で得なければなりませんから、たとえば、二酸化炭素から分離した炭素の半分で自分の体をつくり、半分でエネルギーを得るという仕組みを持っています。

ところが、生物が進化する過程で自分では光合成を行うことができないので、光合成を行うことができる生物を食べて炭素をとるようになりました。これが従属栄養生物、つまりは動物です。植物は自分で光合成を行って「他の命」を奪うことなく生きることができますが、動物は植物の命を奪わなければ生きていくことができません。

人間はもちろん動物ですから、植物に炭素を作ってもらって、それを食べて生きています。その植物は、たとえば「稲」です。人間は稲に二酸化炭素を食べてもらって、稲はそれを米粒にします。本来稲が種を作る子孫を残すためには、あれほど多い米粒を作る必要はないのですが、人間のために大量の米粒を作ってくれます。

だから、稲が食べているものは二酸化炭素です。私たちにとって稲が生育することはとても大切なことなので、「二酸化炭素の量を増やすこと」が稲にとっても大切なことです。

それなのに現在の日本では、「二酸化炭素を減らそう」とか「低炭素社会」ということが盛んに言われていて、それも首相から産業界のお偉方、果ては東大総長まで声高に言っているのですから、普通の人が二酸化炭素はいらないのだな、と思っても無理からぬことです。

◆二酸化炭素が増えることは「過去に戻る」ことである

たとえば地球物理学などによると、恐竜が絶滅した後の5000万年前ごろは、二酸化炭素の濃度は約1%程度とされていて、現在まで少しずつ二酸化炭素が減ってきました。人類が誕生したのが500万年ほど前とされていますので、そのときの二酸化炭素の量は現在の約3倍程度と計算されます。

つまり現在は、人間が出す二酸化炭素によって、大気中の二酸化炭素の量が増えているため、「100年で0.01%増えるので、それをコンピュータを使って計算すると100年後は気温が4.8℃上がる」と報道されていますが、二酸化炭素がこれ以上減るならともかく増えるのですから、それは「未来」のことではなく「過去に戻る」ことなのです。(続く

 

『武田邦彦メールマガジン「テレビが伝えない真実」』2015.03.05号より一部抜粋

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著者/武田邦彦(中部大学教授)

東京大学卒業後、旭化成に入社。同社にてウラン濃縮研究所長を勤め、芝浦工業大学工学部教授を経て現職に就任。現在、テレビ出演等で活躍。メルマガで、原発や環境問題を中心にテレビでは言えない“真実”を発信中。
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