4Kドローンが空撮。映画「海難1890」の軍艦遭難事故はこの海で起きた

2015.12.21
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by kousei_saho
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前回、「日の出のダイヤモンド富士」という奇跡の瞬間映像を私達に見せてくれた4Kドローンくん。今回は、トルコが親日国となったきっかけとも言われるトルコ軍艦・エルトゥールル号の遭難現場・和歌山県樫野埼と、その事件を題材として制作された映画「海難1890」のロケ現場・和歌山県の海金剛の空撮ムービーを届けてくれました。

日土共同合作映画「海難1890」のロケ現場を4Kドローンで空撮!

去る12月5日、日本とトルコの共同合作映画である「海難1890」という映画が封切られました。この映画は、125年前に日本和歌山県沖で起きたトルコ軍艦「エルトゥールル号海難事故」と、イラン・イラク戦争の時に起きたテヘランでのトルコ人在留邦人救出事件の2つの事件を描いた作品です。今回、第1の事件「エルトゥールル号海難事故」のロケ地である和歌山県串本町の海金剛と、海難現場である樫野埼を4Kドローンで空撮しました。まずは景勝地としても有名な海金剛の4K空撮映像から御覧ください。

● 串本の海金剛

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昔から親日国で有名なトルコですが、どうして親日国なったのか、その理由がこの映画で描かれています。1890年、トルコ軍艦「エルトゥールル号」が台風に遭遇し、親善で日本に訪れていたトルコ人、乗員656名のうち、なんと587名の命が奪われるという痛ましい海難事故が発生しました。

次の映像に事故現場の岩礁「船強羅」が映っています。冒頭の部分がそれです。たびたび船が座礁する、海の難所として有名な場所だったそうです。エルトゥールル号の海難事故現場の4K空撮映像、御覧ください。

● 樫野埼 エルトゥールル号の海難事故

強風に煽られたエルトゥールル号はこの海域で座礁し、機関室が浸水。その後水蒸気爆発を起こし、船体は引き裂かれました。かろうじて岸に泳ぎ着いた10名ほどの船員が、助けを求め目指したのは「樫野埼灯台」の灯りだったそうです。

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当時灯台に宿直していた灯台守りは言葉も通じない血だらけの外国人たちに仰天し、すぐに上官に報告。一方、爆発音を聞きつけた地元の漁民たちは、惨状を目の当たりにし、生存者の救助活動を開始。現場は断崖絶壁。漁民たちは高さ40mもの崖を降り、生存者と自分とを縄でくくり付け、崖の上から引き上げるという、現代の消防隊員顔負けの危険な救助活動を行ったという記録が残っています。

生存者は69名。当時の串本町はその日食べるのも困るような貧しい漁村だったそうですが、地元の方々の手厚い救助と看護は同じ日本人である自分が聞いてもグッときます。映画にも詳しく描かれていますが、村人総出の救助活動、低体温症になった船員の身体を我が身で温め、わずかな蓄えである食べ物を彼らに与えるなど…。事故後は犠牲者の遺体を樫野崎の丘に埋葬し、遺品を洗いきよめてトルコ本国に送る手配をしたそうです。最終的に生存者69名は日本の軍艦2隻でトルコ本国に無事帰還を果たしました。

現在、樫野埼の丘にはこの海難の慰霊碑が立っていて、定期的に慰霊祭が行われています。日本ではあまり知られていないこの話、実はトルコでは有名で、125年経った今でも教科書に載っているそうです。

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今回訪れた和歌山県串本町の事故現場は、痛ましい事故現場でありながら、日土の友好の歴史を感じられる場所でもありました。樫野埼にはトルコ記念館という建物があり、この海難事故についての展示がされていますので、樫野埼を訪れたらぜひ入館してみてください。

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映画では、もう1つの事件であるトルコ人によるテヘラン在留邦人救出事件に関しても描かれています。今から30年前の1985年、イラン・イラク戦争が勃発しました。爆撃が始まったテヘランには数百人の在留邦人が帰国することができずにピンチに立たされていました。日本からの救援機が来ない中、絶体絶命の日本人215名を助けたのはトルコの人々でした。トルコ政府は日本人のためにトルコ航空機の増便を決め、飛行機で脱出予定だったトルコ国民は、自分たちが乗るはずだった席を日本人に譲り、飛行機に搭乗させてくれました。この2つ目の事件も「エルトゥールル号海難事故」と同じく、日本ではあまり知られていないのではないでしょうか。そしてこれがトルコ人の「恩返し」だった、ということも…。ご興味のある方は(いや、日本人だったら知っておいたほうがいいかも!)ぜひ映画を御覧になってください。

「海難1890」公式サイト

取材・文/クレセントエルデザイン

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