大切な場面に限って頭が痛くなる……。
いつ起こるかわからない頭痛の不安を抱えている人は少なくないのではないでしょうか。
冷たいものを食べた時、風邪を引いた時、一刻も早く病院を受診する必要のある病気が隠れている緊急性のものなど、頭痛にはさまざまな要因がありますが、原因がはっきり特定できない頭痛に悩まされている人は日本人の4人に1人と言われています。
なかでも月に数回~毎日起こる慢性的な頭痛のうち、最も多いのは「緊張型頭痛」です。
激しい痛みに襲われる「偏頭痛」に対して、中等度の痛みがダラダラと続くのが緊張型頭痛の特徴です。痛みが引くのを待ち、なんとかやり過ごしている、という人も多いのが現状です。
ムリから起こる緊張型頭痛
緊張型頭痛は、肩や首、後頭部の筋肉が持続的に緊張することによって起こると考えられています。
原因は、仕事や家事などで長時間、同じ姿勢や無理な姿勢をとること。パソコンやスマートフォンの使用により目を酷使すること。合わない枕、精神的なストレスなども原因となります。
普段の生活を振り返ってみて、思い当たることはありませんか?
ここでは、緊張型頭痛になった時にすぐ対処できる方法として、誰でもできる「ツボ押し」をご紹介しましょう。
頭痛に効くツボはたくさんありますが、代表的なところでは次のようなものがあります。
※グリグリ押すのではなく、ゆっくり押し込むように。3~5秒ほどしたら指を離します。やりすぎは気分を悪くしたり皮膚を傷つけます。1度に3回ほど目安に、症状をみながら行いましょう。
百会(ひゃくえ)
両耳をつないだ線と鼻の延長線が頭のてっぺんで交わるところにあるツボ。指の腹で垂直に押しましょう。
頭部の血流を促進して、頭痛を和らげる効果があります。
天柱(てんちゅう)
後頭部下にあるくぼみから、指1本分外側にある左右のツボ。ちょうど首筋の上にあたります。親指をあて、他の指は頭を包み込むようにして押しましょう。
頭全体が重だるいような、慢性的な痛みにおすすめ。
風池(ふうち)
天柱よりさらに、指1本分外側にあるツボ。天柱を押さえてから、そのまま髪の生え際を移動するイメージで押してみましょう。
頭をスッキリとさせてくれます。
肩井(けんせい)
首の付け根(髪のはえ際)と肩先を結んだちょうど真ん中にあるツボです。手を反対の肩の方に置いたとき、中指があたる位置を身体の中心に向かって押すといいでしょう。
頭だけでなく体の血行も促進。肩こりにもおすすめです。
合谷(ごうこく)
手の甲側、親指と人差し指の間にある骨よりも少し外側にあるツボ。反対の手の親指と人差し指で挟むようにして押します。
万能のツボといわれる合谷。首から上の痛みを和らげます。
陽白(ようはく)
瞳の真ん中の上方、眉毛より指1~2本分上にあるくぼみ。指の腹でやや弱めに押します。
頭痛、目の奥がジーンとするような眼精疲労に効きます。
太陽(たいよう)
目尻とこめかみの中間にあるくぼみの部分。指の腹でやや弱めに押します。
頭痛、目の奥がジーンとするような眼精疲労に効きます。
効果的に行うには
ツボ押しは筋肉の疲れをとって血流をよくし、リラックスする効果があります。
押す力は、あくまで自分が気持ちよく感じる程度を目安に。頭痛の症状が出た時に、いくつか上記のツボを押して、自分の痛みがやわらぐツボを探してみましょう。また、緊張型頭痛の場合は、凝り固まった部分を蒸しタオルなどで温めたり、マッサージでほぐすことも効果的です。
偏頭痛はツボ押しNG!
偏頭痛は、脳の血管が急激に拡張して炎症を起こしていると考えられるため、ツボ押しで刺激すること炎症物質をさらに拡散してしまうことになり逆効果です。なかには、緊張型頭痛と偏頭痛の両方をもっている混合型の人もいますので、頭痛で悩まされている人は、まずは病院を受診し、自分の頭痛がどういったタイプなのか知っておくことが大切です。
執筆者:井上愛子(看護師)
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