不気味な効能。薬を緑茶で飲むと効果が20%上がる報告

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市販薬であれ病院で処方された薬であれ、「服む時はかならず水かお湯で」というのが常識ですよね。でもそれ、なぜなのでしょうか。無料メルマガ『Dr.ハセのクスリとサプリメントのお役立ち最新情報』では、抗生物質を緑茶で服んだ際の薬効への影響が紹介されています。

抗生物質を緑茶で飲むのは、やめたほうが賢明です

薬局で薬をもらうとき、薬剤師さんが「この薬は、お水で飲んでくださいね」とか、「ジュースを一緒に飲むのは避けてくださいね」などとよく言われます。薬との飲み合わせにより、薬効が弱まったり、逆に強くなりすぎたりすることがあるからですが、実際に緑茶で抗生物質を服用すると、抗生物質の効果が高くなることが報告されています。

これは、エジプトAlexandria大学薬学部のMervat Kaseem博士が、スコットランドで開かれた微生物学会で報告したものです。

● Green tea polyphenols inhibit colorectal aberrant crypt foci (ACF) formation and prevent oncogenic changes in dysplastic ACF in azoxymethane-treated F344 rats.

エジプトでも緑茶をよく飲むのだそうです。そして、抗生物質の服用の際には、お茶で飲むことが多いのだそうです。

そこで緑茶で抗生物質を服用した場合、その抗生物質の効果を弱めないか、あるいは逆に強めるなどの影響が出ないかについて調べました。その結果、緑茶が薬剤耐性菌やその他のバクテリアに対する抗生物質の効力を3倍にまで強めることが明らかになったというものです。

研究では、細菌感染の際に使用されている、28種の抗生物質に対する緑茶の影響を調べました。その結果、緑茶が、抗生物質の持つ細菌に対する死滅作用を高めることが明らかになりました。

例えば、クロラムフェニコールの場合では、緑茶をともに摂ることにより、細菌殺傷力を2倍に高めたそうです。また、セファロスポリン系の抗生物質薬剤耐性菌に対しても、緑茶を同時に飲むことにより20%も、その効果を高めることが明らかになりました。

この研究では現在使用されているほとんどの抗生物質について調べられているのですが、いずれの場合も、緑茶と同時に飲むことにより抗生物質の効き目が高まり、またバクテリアの薬剤耐性度を低下させると報告されています。

この報告によると、抗生物質を緑茶と一緒に飲めば、よく効くようになるのでよさそうに思えますが、同時に何らかの副作用も強まる可能性も否定できません。したがって、当面は今までどおり、水かお湯で服用するのがよさそうです。

image by: Shutterstock

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