仲間外れや無視…。子どもを自殺に追い込む「軽微ないじめ」の危険性

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探偵の目線から子どもの世界に蔓延する「いじめ」の実態に迫るメルマガ『伝説の探偵』では、T.I.U.総合探偵社代表の阿部泰尚さんが、いじめ問題を調査し続けた12年の経験の中で発見した、驚きの実態を伝えています。今回は「仲間はずれ」や「無視」についてです。日常的に起き得る「軽微ないじめ」が子どもたちにとってどれほど危険なものか、阿部氏が遭遇したある事件を例に紹介しています。

軽微ないじめが子どもを自殺に追い込む

前回、サンプル号(0号)で「いじめ発生率」の多さを、いわゆる国のデータに基づき、公開した。
いじめ・いじめられのない子の割合は、「12.7%」であり、うちの子は大丈夫シンドロームがいかに危険かということを書いた。

そして、今回初回号では、その実態に触れるのだが、ここで、取り上げるのは、「軽微ないじめ」として取り上げられる「無視」や「仲間はずれ」についてである。

そもそも、私はいじめ現場に最も近くにいる第三者という立場にあるから、子どもたちの現状をこの目で見てきている。
だから、サンプル号(0号)で取り上げたような調査が行われていて、その数を示されても驚きはしなかった。

それよりは、「やはり、そうか。」と納得した。

では、何が気になるのか?

気になったことは2つある。
1つ目は、なぜこんなに頻繁に起きていて、大問題にもなっているのに、具体的な取り組みが耳に入ってこないのであろうかというこ
とである。

これは予防・防止についてのことであるが、法はできても運用していないところもあり、反対している関係者もいる。
関係者の中には一部ではあるが、「いじめは成長期に必要なものだ。」と主張する者もいた。
また、学校の自治を強固に主張し、いじめ法自体を否定する動きもある。

そしてもう一つ、データの分析についての言葉である。
特に、無視や仲間はずれについては、「軽微ないじめ」として括られる。

しかし、多くは無視や仲間はずれが、凶悪ないじめ、犯罪行為の始まりであることを忘れはならない。

そして、思春期や多感な子どもは、無視による疎外感や仲間はずれによって精神的に強い苦痛を感じ、それが大きな影を落とす結果になることも忘れてはならない。

実際、私はある保護者から相談を受け、その方のお宅に伺っている際に、事件に巻き込まれたことがある。

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