お稚児さんの選び方は?京都通しか知らない「祇園祭」完全ガイド

 

後祭の宵山は2つのオマケ付き!

オマケ1 役行者(えんのぎょうじゃ)山の護摩焚(ごまだ)きを観る

役行者山護摩焚きは毎年7月23日2時から行われる京都の夏の風物詩です。聖護院門跡(しょうごいんもんぜき)の山伏が役行者山町の路上に設けた護摩壇で、宵山期間中に奉納された護摩木を焚き上げます。祈願成就を願ったり、後祭の山鉾巡行の安全を祈願したりします。

役行者山は、三条室町上ルにあり、町名は役行者町です。山鉾町の中でも鈴鹿山と並び最北端にあります。聖護院門跡の山伏さんたちは、午後1時に六角堂を出発し、浄妙山、北観音山、南観音山、八幡山を巡拝した後役行者山に到着します。午後2時、ホラ貝とシャンシャンという錫杖(しゃくじょう)の音と共に20数名の僧侶と山伏の方たちが到着します。役行者山のご神体に祈祷された後、路上に設けられた護摩壇での護摩焚きが始まります。一行が、注連縄で囲まれた結界の中に入る際、山伏問答が行われすべて答えた上で入場が許されます。まず「素性」を尋ね、「山伏とは」「修験道の開祖とは」「修験の教えとは」などテンポの早いやりとりは見どころの1つです。

こうして役行者山の前に張られた結界の中に山伏たちが入りいよいよスタートです。まず弓を使い邪気を祓い場を清めます。東西南北、そして護摩壇や天に向かってそれぞれ矢が放たれます。次に護摩壇に向かって刀や斧を使い邪気を払います。その後、山伏の読経が響く中いよいよ護摩壇に着火します。この読経を読み上げる山伏の声が良くて、リズムも素晴らしいのでそばで聴いているだけで吸い込まれていくようです。

護摩焚きには人間の穢れを取り払い身を清めるという意味が込められているとのこと。この煙を浴びる事によって穢れや厄を祓う効果があるそうです。これはこの説明だけではどうにもならないので実際に観賞することを強くお勧めします!

オマケ2 南観音山のあばれ観音を観る

後祭の宵山23は南観音山の「あばれ観音」を観る(宵山深夜11時半頃から30分程度)。これは宵山の深夜に南観音山だけで行われる行事です。囃子方たちは日和神楽から戻るとすぐにハッピに着替え、本尊の楊柳(ようりゅう)観音をしばりつけた御輿を担ぎます。町内を3周しながら町の両端で激しく揺らすという不思議な儀式です。これは翌日の山鉾巡行中に静かに座っていてもらうために今のうちに暴れさせるというもの。そして、隣町の北観音山の観音さまへの恋心を暴れることで冷めさせるためなどとも言われています(笑)。いずれにしても微笑ましい言い伝えを純粋に守り続けて暑い夜に真剣に儀式を取り行っている姿が微笑ましくて好きです。祇園祭・宵山最後の行事として、深夜にもかかわらず多くの観光客や見物客が集まります。

あばれ観音が終わると、直ちに通りの露店は取り払われて翌日の巡行に備えます。全てを終え、鉾町の人が眠りにつくのは深夜2時、3時とか。誰を喜ばせるためでもなく、自分達や京都の街の疫病退散の祭のためにこうして1,000年以上続けている人達に感動するのです。

いかがでしたか? 今回は今まで自分が実際に見たり聞いたりした内容も含まれています。祭りの関係者達からしか聞けないようなことも盛り込んでいます。祇園祭はいつか自分の研究テーマにしたいぐらいなので、毎年取材のように関係者に聞きまくってます(笑)。本などでは調べられないようなエピソードがとても沢山あってその魅力は尽きません。そのようなことを余すところなくお伝え出来ればと思います。

image by: twoKim / Shutterstock.com

 

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