40歳を過ぎたら注意したい、3つの「目」の病気とは?

2016.10.11
by gyouza(まぐまぐ編集部)
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近頃は、目の定期検診でぜひとも早期発見したい疾患があります。失明の危険がある病気として、メディアでも取り上げられることが多くなった「加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)」です。

加齢黄斑変性は、「老眼が進んだのかな・・」と思い込み、治療せずに放置している人が大勢いるのだとか。

加齢黄斑変性に限らず、目の病気は気がついた時には進行している場合が少なくありません。ゆっくりと進行する病気が多く、見え方に異常があっても、すぐに慣れてしまい、片方の目に異常があっても、もう片方でカバーしてしまうためです。

今回は、加齢黄斑変性とともに緑内障、白内障まで、放置しがちな「目の病気」のポイントをおさえておきましょう。

加齢黄斑変性とは?

加齢黄斑変性の代表的な症状は3つあります。 

1. 物がゆがむ、
2. 視野の中央が暗い
3. 視力の低下

目の奥の網膜には「黄斑」という物の色、形、大きさなどを感じる重要な部分があります。その黄斑部が障害されてしまうのが加齢黄斑変性です。

多くの場合は、黄斑部に異常な血管(新生血管)が伸びて、その血管が出血したり水分が漏れたりすることが原因です。

主な治療法

異常な血管である新生血管を成長させないように、目に直接注射する治療が多く用いられます。

白目の部分に針を刺して、目の中の硝子体という部分に薬を注入します。外来で受けられますが、1~2か月ごとに注射をして、1回あたりの費用は保険適用で3割負担でも5~6万円ほどかかります。

緑内障とは?

視野の一部が、だんだんと見えなくなっていき、気がついたときには、見えない部分がかなり広がってしまう病気です。

目の奥には「視神経」という脳に情報を伝達するケーブルがありますが、緑内障はこの視神経が障害されることにより起こります。

原因としては、眼球の中の圧力(眼圧)の上昇で、視神経が圧迫されることにあります。目の中の「房水(ぼうすい)」という透明な液体が流れにくくなると、房水が溜まってしまい、眼圧が上がるのです。

主な治療法

一般的には、最初は点眼薬を使い、2~3種類の点眼薬を使うことが多いです。房水を流れやすくする薬や房水の産生を抑える薬で眼圧を下げます。

レーザー治療や手術は、房水の流れを変えるための通り道や排出路を作ります。レーザー治療は外来で出来ますが、手術は入院が必要です。

白内障とは?

目の中には、水晶体というレンズの役割をする部分があり、本来は無色透明なのですが、加齢によって水晶体が濁ってしまい、ものが見えにくくなります。

その症状は「まぶしい」「かすむ」「ぼやける」「ものが二重三重にダブって見える」などと訴える人も多いようです。

主な治療法

白内障の初期段階では、点眼薬や内服薬による治療があります。病気が進行して物が見えにくくなり、日常生活が不自由になってくると手術の必要があります。

現在、多く行われている手術は、濁ってしまった水晶体を取り除き、眼内レンズ(人工レンズ)を入れる手術です。

40歳を過ぎたら目の定期検診を

いずれの病気も高齢化により急増していますが、日々その治療法は進歩しています。必要以上に恐れることはありません。

大事なのは、早期発見・早期治療。

そのためには、定期的な検診が欠かせません。目の病気は、命にはかかわらなくとも、私たちの生活の質(Quality of Life)に大きくかかわります。

できるかぎり、自分の目で“はっきり”、“くっきり”見るためにも、40歳を過ぎたら年に1回は目の定期検診を忘れずに行いましょう。

執筆:南部 洋子(助産師・看護師・タッチケア公認講師)

 
<執筆者プロフィール>
南部 洋子(なんぶ・ようこ)
助産師・看護師・タッチケア公認講師・株式会社 とらうべ 社長。国立大学病院産婦人科での経験後、とらうべ社を設立。タッチケアシニアトレーナー

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記事提供:Mocosuku(もこすく)

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