高城剛氏ロング・インタビュー Part2「今はシステムに殺される時代」

 

高城:僕はお金をかけることが、悪いことだとは思いません。例えば、ランドマークを作るのに、ケチって安くさいものを作っても失敗します。むしろ、お金をかけたほうが元が取れるはずです。でも、現在の2020年東京オリンピックの現状を見る限り、無駄金が多くランドマークもできない様子です。これが大問題。コスト意識、美意識、マーケット感覚など、欠落しているものが多いですよね。

まぐまぐ:ああいうすり替えっていうのは、どこで起こるんですかね。

高城:日本は変化することを許しませんので、決まったらやりたい放題なんですよ。政治を見れば、公約なんか守らないですよね。決まったら密室でやりたい放題です。だから、決める前の根回しが大事ですよね。内緒のね。

まぐまぐ:確かに。

高城:本来なら、そのような内緒の根回しや談合、そして決まった後の密室劇を追求するのはマスコミの仕事なのでしょうが、ほとんど機能していないどころか、むしろそちら側に加担してますよね。報道の自由度の世界ランキングが72位ってかなり問題です。このランキングの基準を問う声もあるでしょうが、2000年代初頭はトップ10に食い込むようなこともあったんです。それが、いままで日本語でわからなかったことが原発事故がきっかけで世界に露呈してしまって、ここまで落ちている現実は考える必要があるでしょうね。実際、記者クラブをはじめ情報談合してますからね。ですので、なにか決まったら、ひっくり返せないようにマスコミさえ押さえておけば、やりたい放題ですよね。最近だと、トルコもそんな感じです。マスコミを押さえちゃって。

まぐまぐ:トルコは、やっぱりそうですか。

高城:エルドアンが批判的なマスコミを全部潰しちゃってね。日本も似てきていて、NHKも完全に政府広報部になりつつあるので、あれほどNHKのOBが怒ってるんでしょうね。中立は難しいし、個人的には中立ではなく、各局の色がもっと出て多様化したほうがいいと思いますが、NHKのOBが経営委員会に会長の罷免を求めるのは、かなり問題ですね。

まぐまぐ:やっぱり、そうなんですか。

高城:アメリカだと保守系のチャンネルとリベラル系のチャンネルと、大きく2つに分かれてて一応拮抗するようになっていますが、過去の戦争を鑑み、抑止力としてリベラルな報道が強いのが一般的です。イラク戦争も保守系報道の煽りで突入し、それが一部の人たちの思惑だったことがバレちゃって、だから報道はリベラル寄りになりますよね。日本はそうなっていません。何度も言いますが、「世界の報道の自由度ランキング年々落ちていることが問題です。現在、日本は70位台ぐらいですが、どこまで落ちるか。

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まぐまぐ:そんなに低いんですか。

高城イタリアと日本が断トツに低いんです。それって、要するに裏社会が存在するっていうことなんですよ。米国財務省が日本の反社会組織のトップを名指しで経済制裁対象にすると発表しても、それを日本で報道するテレビも新聞もほとんどない。むしろ、マスメディアが反社会組織を守っているように見えることさえあるし、事実、そのようなこともあるのでしょう。透明性が低くなり多様性がなくなると国家が発展しなくなるのは、人類史をみれば明らかですよね。

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