高城剛氏ロング・インタビュー Part2「今はシステムに殺される時代」

 

まぐまぐ:メルマガでも、日本とイタリアはよく似ているっておっしゃっていますよね。

高城とても似ていると思いますね。どっちも1000年、2000年という歴史があって、海に囲まれているという。イタリアも上を閉じちゃえば、実質上は島で、閉鎖的ですよね。

まぐまぐ:確かにそうですね。

高城:それでいて、両方とも第2次世界大戦の敗戦国ですよね。両国とも、もともと世界情勢に疎いとも、一部の官僚支配の国家だとも言えます。敗戦した後は、イタリアのほうが先に工業化が進みました。自動車産業とかオリベッティみたいな会社が出てきて。その後、日本もキャッチアップして工業化が進むわけですよね。イタリアはその次に食とかに行ったところも、日本と非常に似ていますよね。

政治の動きにしても、イタリアは長年独裁状態だった与党に対して、野党連合みたいなのが存在してたんだけど、なかなか政権交代ができないから、共産党が解党します。それでやっと野党連合が与党を倒したんですけど、結局それでも駄目だったから、政治家じゃない人たちが内閣をつくって国を運営するようになって、それでも難しいっていうのが現状で。国民がこっそり他国へと避難してますね。

まぐまぐ:八方ふさがりって感じですね。

高城社会って平和じゃ変わらないんです。簡単に言ったら、よほどの時じゃないと、裏社会や国の暗部をきれいにできないってことなんですよ。日本もそうじゃないですか。福島第一原発の除染の現場から東京オリンピックも、なんであんなに予算高くなるのって言ったら、色んな人たちにお金が流れているからですよね。8次孫請けって、他国になかなか説明できない不思議なものですよね。

まぐまぐ都議会のドンとか……。

高城:そのあたりは、本丸ではないように思いますし、組織や社会システムが制度疲労してるんでしょう。だから、特定の人物がいなくなったからっていって、国立競技場の予算が3000億から1000億になったりはしないですよ。いいとこ一割引きの2700億。もしくは、会計上でごまかして、つけかえているだけ。ザハの案がなくなって、新しい案になったけど、あれってファサード変えただけで、中は一緒ですよね。だって、もう決まって資材もあるから。……もしかしたら、メルマガに書いたかもしれないけど、初めからあれは実質的に建築家は決まっていたわけで。

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まぐまぐ:そうなんですか。

高城根回しの段階で9割決まっているんです。議論が大切ではなく、事前に話を通すようなことが大切なんです。だから、日本の変化バッファーは1割程度しかなくて、それを「選択」や「自由」、「公平」と呼んでいます。100%じゃなく、99%でも1%の自由があれば、決定ではありません。決定的なだけ。その後、よっぽどの問題が起きない限り、すべては藪の中ですよね。組織の透明性を担保する国際基準のISO26000など別の宇宙にある話ですね。ルールは、「を乱さないこと。人権無視だろうが、誰かが死のうが、「は絶対なんです。いまも昔もお家が大事で自己犠牲の精神が美徳とされていますからね。当面、あらゆる悲劇は続くでしょう。でも、米国でさえ追いつけないほど世界が大きく変わったので、「和」は、中長期的には国益に反します。いまは、個々が自己犠牲の精神が美徳とされ、お家第一と言われる社会の中で、うまく生き抜く力や身を守る力を本当に養わなければシステムに殺される時代になったと理解する必要があります。だから、僕は常に「通りすがりの旅人の与太話ですよ!」と、前置きするような必要があるんでしょうね。その上、あえて間違ったことを少し混ぜて話しておくと、「あいつの話は信用ならない」などという、少しダメだと全部ダメと考える人もいてくれるので、助かります。この時代のコミュニケーションのお作法は、難しいですよね。読み手が必要箇所を抽出して考える必要もあるし、信用毀損が時には前に進むこともあるから。誰もが僕の話を聞いて、「その通りだと言い始めたら僕は一刻も早く遠くに逃げないといけませんね(笑)システムの犠牲になる前に


……と、大いに盛り上がるインタビューはあと1回だけ続きます、近日公開の第三弾をお楽しみに。ちなみに11月中、高城さんのメルマガに新規でご登録されると、MAG2 NEWSに掲載する全3回のインタビューの2倍近くのボリュームとなる「インタビュー完全版」を読むことができます。メルマガは初月無料ですので、この機会にぜひご登録ください。登録はコチラから。さて、そんな高城剛さんの単独トークライブが来る12月2日に両国国技館で開催されます。2015年に渋谷公会堂で開催された「読者大感謝祭」に引き続き、 2016年は作家史上最大の1万人規模の「大忘年会」。経済や社会、医療や国家まで、普段表立って語ることができない話を、高城さんがこの大忘年会で読者の皆様に直接語ります。すでにメルマガ読者先行予約分のチケットは完売していますが、今回この記事をお読みいただいているMAG2 NEWS読者100名様を、このライブに特別ご招待いたします。ふるってご応募ください。

【応募方法】
メールでご応募を受け付けます。
メール本文に、以下の1~2をご記入ください

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メール件名は、「まぐまぐ招待枠」としてください。

以上をご記入のうえ、応募専用メールアドレス宛にご送信ください。
応募アドレス: ura@publabo.co.jp
※ご応募〆切:11月15日(火)
※厳正なる抽選のうえ、当選者にのみご連絡いたします。

kokugikan

読者感謝大忘年会 高城剛単独トークライブ  “裏”があってもいいじゃないか

開催日: 2016年12月2日(金) 

時間: OPEN 18:00 / START 19:00

会場: 両国国技館(JR両国駅:徒歩1分)

主催: 高城剛事務所、パブラボ

【お問い合わせ】
高城剛トークライブ実行委員会
電話: 03-5298-2280(パブラボ)
メール: ura-info@publabo.co.jp

 

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著者:高城 剛
1964年生まれ。現在、コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわたって活躍。毎週2通に渡るメルマガは、注目ガジェットや海外移住のヒント、マクロビの始め方や読者の質問に懇切丁寧に答えるQ&Aコーナーなど「今知りたいこと」を網羅する。
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