中野に行ったら立ち寄りたい、怪獣たちのいるところ

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「たかじんNOマネー」などの構成作家として知られる放送作家の吉村智樹さんが、街で出会ったユニークなスポットや人を紹介してくださる無料メルマガ『「まちめぐ!」吉村智樹の街めぐり人めぐり』。今回吉村さんが足を踏み入れたのは、真っ赤な怪獣が出迎えてくれる「大怪獣カフェ」ですが…、そこには想像をはるかに超える「愛情」があふれていました。あのマツコ・デラックスも乱入してきたんだとか!?

東京 夜の巷に蠢く怪獣たち

東京には、地元の寺や神社の名前がそのまま冠された駅がいくつもある。

たとえば、かつて僕が事務所を構えていた高円寺がそうであるし、同じJR中央線には国分寺という駅がある。そしてやっぱりそれぞれ、駅から徒歩圏内に同名の寺が建っている(とはいえ、なぜか吉祥寺の駅前には吉祥寺という寺がないのだけれど)。

ほか、高幡不動、祐天寺、泉岳寺、Let’s豪徳寺! などなど地方から訪れた僕にでも、駅名を見ただけでそこが門前町であることがわかるのがありがたい。

また、そういった街は参詣道がそのまま商圏として発達しているため、駅前には高確率で、歩いているだけで心がほどける、のんびりムードの商店街が横たわっている。このように参道と商店街が一体化しているゆえにシャッター通り化が食いとめられているのが、東京の街の大きな魅力のひとつ。

中野区にある西武新宿線「新井薬師前」駅もそう。

駅名となった新井薬師寺のご神体は、眼の病を癒す神様として地域住民から永く愛されている。

陽が暮れても閉門しない新井薬師寺。眼の神様だけに、夜も提灯をともしてくれて見えやすい。

陽が暮れても閉門しない新井薬師寺。眼の神様だけに、夜も提灯をともしてくれて見えやすい。

 

しっとりとした風情のある境内。

しっとりとした風情のある境内。

そして駅の南口からはL字型に広がった商店街があり、およそ100店舗もの小売店や飲食店がひしめいている。毎月8の日には商店街で縁日が開かれ、さらに第1日曜日には骨董市が催される。盆おどり桜まつりなど季節ごとのイベントも行われ、深いおもむきを味わうことができる。

場所だけで言えば、背伸びをすれば都庁のビルが見えるほどの都心部なのに、このようなほっこりエアポケットがあるなんてにわかに信じがたい。ここは都会の絵の具に染まっていない都会なのだ。

「新井薬師前」駅から続く通りは、ご年配のユーザーが多い参詣道との一体型商店街なので、店じまいは早い。早稲田通り1本隔てただけで中野駅前の不夜城的大歓楽街が現れるのだが、そこでのどんちゃん騒ぎの声など、ここにはまったく届かない。まるで別の宇宙のできごとかのように街は早々に寝息を立て、ひそやかでおだやかな空気感に包まれている。

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明るくも暗くもない、絶妙にメロウな色あいの街燈。

 

「皆様の泥棒」。ねずみ小僧?

「皆様の泥棒」。ねずみ小僧?

 

二次元怪獣ガヴァドンの目を思わせる、抽象アートな窓。

二次元怪獣ガヴァドンの目を思わせる、抽象アートな窓。

 

遺伝子組み換えの疑いがある果樹。

遺伝子組み換えの疑いがある果樹。

こうして夜の新井薬師を徘徊すること5分。西武新宿線「新井薬師前」駅からJR「中野」駅方向へと歩いてゆくと、商店街「新井薬師商店会」はカックンとL字に折れ、「薬師あいロード」と名を変える。そしてあいロードに建つマンションの地下から漏れる灯りに誘われて足を踏み入れると、そこには、この世のものとは思えない真っ赤な生き物が立っていた。

マンションの地下で、赤い怪獣の女子がお出迎え。

マンションの地下で、赤い怪獣の女子がお出迎え。

このぽかんと口を開けた怪な獣がお出迎えするこのスポットの名は「大怪獣サロン」。お昼はカフェ、夜はBARという、ウルトラ怪獣ザラガスのように変態を遂げる社交場だ。

>>次ページ 店内はやはりマニアックすぎるのか?

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