大型台風と共に、日本列島にも秋の風が漂ってきました。「中秋の名月」と言われるように、昔から秋に夜空を見上げて想いを馳せる習慣もありますよね。せっかく空を見上げるならちょっとした宇宙ウンチクを身につけておきたい…ということで、ベランダ天体観測が趣味の『クリエイターへ【日刊デジタルクリエイターズ】』著者・関口浩之さんに、月や宇宙に関する小話を教えていただきましょう。
宇宙の話をしよう
こんにちは。もじもじトークの関口浩之です。デジクリの夏休みを挟んだので約一か月のごぶさたです。いかがお過ごしでしょうか? 35度を超える猛暑が続いてましたが、ようやく過ごしやすい季節になりましたね。
これまで4話にわたり「まちもじ特集」(街中で発見した素敵な文字)をお送りしました。お楽しみいただけましたでしょうか? 街中文字のネタが溜まったら、またいつか特集したいと思ってます。
さて、今回より4話にわたり宇宙のお話をします。
意外と近い?地球との距離
最近、宇宙や天体に関する素敵な話題が多かったですね。先日は国際宇宙ステーションに「こうのとり」5号が無事ドッキングして話題になりました。
また先月7月27日、冥王星探査機「ニューホライズン」が、打ち上げから9年半の長い旅を経て冥王星に最接近したことも記憶に新しいですね。
●国際宇宙ステーションって地球からどのくらいの距離にあるの?
8月19日、国際宇宙ステーションに物資を運ぶ補給船「こうのとり」5号が種子島宇宙センターから打上げられ、8月24日にドッキングに無事、成功しました。
さて、質問です。
地表から国際宇宙ステーションまでの距離ってどのくらいなのでしょうか?気になりますよねー。
地上から約400km上空を飛行しています。JAXAのWebページに、[目標軌道 高度:350km~460km]と書かれています。
おぉー、結構近いじゃないですかーー。400kmといえば、直線距離で東京から神戸あたりまでです。
地球の直径が12,742kmなので、地球のサイズから見れば、わりと地球の表面に近いところを周回していることになります。
ちなみに、地上の大気の構造を簡単に説明すると、
・対流圏……10kmぐらいのまでの空気の層です。雲が流れたり、雨を降らせているのはこの対流圏の中で起きています。
・成層圏……10~50kmあたりを指します。オゾン層が存在する層です。
それより上空の層として、中間圏(50~80km)、熱圏(80~800km)、外気圏(800~1,000km)があり、地球の大気圏を形成しています。
なので、国際宇宙ステーションは、熱圏の層を飛行しているのです。限りなく大気は薄いですが、真空ではないようです。
ちなみに、飛行機は対流圏と成層圏の合い間を飛行しているようです。高度1万メートル(10km)ということですね。
●気象衛星は、どのあたりを周回しているの?
最近、天気予報をみると、雲の動きや台風の動きの写真スライドが滑らかに表示され、画像もカラーになり解像度も鮮明になりましたよね。
2005年に打ち上げられた気象衛星「ひまわり」6号と、2006年に打ち上げられた「ひまわり」7号が、昨年10月7日に打ち上げられた「ひまわり」8号に切り替わったからなのです。
ここ10年でカメラ性能は向上し、通信技術も進化しました。その結果、気象衛星からの情報が格段に進歩したということだと思います。
さて、人工衛星の高度はどのくらいでしょうか?
高度は約36,000kmです。
ということは、気象衛星「ひまわり」8号は、国際宇宙ステーションよりも100倍ぐらい遠くで飛行していることになりますね。結構、離れていたのですね。
●地球の衛星、お月さま
お月さまは地球から一番近い天体ですが、宇宙ステーションや気象衛星までの距離に比べると、相当遠いような気がします。
では、地球から月までの距離は実際どのくらいなのでしょうか?
・平均……38万4,400km
・月の軌道の近点……36万3,304km
・月の軌道の遠点……40万5,495km
気象衛星「ひまわり」までの距離が3万6,000kmなので、その約10倍の距離です。
お月さままでの距離は人工衛星の距離の100倍ぐらいだと思っていたので、思ったより遠くなかったです。とはいえ、近くないです……(笑)
僕の趣味であるベランダ天体観測のお月さま写真(昨年の皆既月食の様子)を掲載しましたので、ぜひ、お楽しみください。
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