紫外線が気になる季節がやってきました。市場に出回る日焼け止めの種類は多いけれど、どれを選んでいいものやら迷ってしまいますよね。今回の無料メルマガ『アリエナイ科学メルマ』では著者で科学者のくられさんが、その成分構成から最近の趨勢、選び方までを解説しています。
日焼け止めの選び方
日焼け止めのシーズン到来です。
日焼け止めはちょっと前までは、塗ると肌が白っぽくなる酸化チタン系の日焼け止めがメインだったのが、気がつけば塗ると透明なジェルタイプが普通になりました。
- HMC:フェルラ酸
- HMB:オキシベンゾン3
- BMP:4-tert-ブチル-4′-メトキシジベンゾイルメタン
- EMC:パラメトキシケイヒ酸エチルヘキシル
しかし日本では2006年にEMCが最大10%(クリーム100gの質量比)まで配合が可能になったことで研究が進み、ここ数年、無機系の力を借りずに十分な日焼け止め効果を持つ物が市場に現れ、しかももともとが印刷用のものであることから安価であり、安く安全で効果が高いと三拍子揃った日焼け止めが登場するに至っているわけです。
ただこれらの薬品には難点もあり、まず紫外線で分解して紫外線を食い止める成分であるということ。その分解物が結構刺激性が高い…という点です。刺激性が高い分解物は例えば、目の周りに塗ると、それが目に入ったときにかなり浸みるということがいえます。
そうなると、やはり酸化チタン系がよいのですが、これが市場からゴッソリ消えてしまい、ロクに売られていないのが難点です。市販ではロート製薬から「セバメド UVプロテクトクリーム」というのが出ているようですが、まだ使ったことがないのでなんともです。
以前は酸化チタンと酸化亜鉛を買ってきて、ニベアクリームと混ぜて日焼け止めを作るというのを記事として書いたこともありました(魅了する科学実験に掲載)。
結局はどれが肌に合うかどうかは人それぞれなので、とりあえず、いろいろ買ってみて、自分にあったものを探すのがよいかなと思います。
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