上品、気配り、スピード感。主婦はいかにして会社を立て直したか

 

“名ばかり”社長からの脱皮へ

“名ばかり社長”、“いるだけ社長”から30年を経過したが、この間に経験したことは、“勉強の方法は、本を読む、講演を聴く、お客様の話を聞く”などまず他人の意見を受け止め、そして決断し、行動に移す、朝令暮改を恐れない勇気、そして何よりスピード感を欠かさないことだったと述懐する。

小松社長は2017年に中堅・中小企業のうち全国の金融機関などから推薦を受けた候補者の中から最も優秀な経営者を選ぶ日刊工業新聞主催の表彰制度で2016年度の最優秀経営者に選ばれた。またこうした活動から天皇・皇后両陛下が工場の見学に来られ園遊会にも招待されている。

小松ばね工業の作るばねは、虫めがねで覗かないと判らないほどのゴマ粒のような超精密ばねでオンリーワン技術だ。小松節子会長は40歳から約30年間にわたり第一線で社長を続け自らの努力で海外に拠点を持つ企業にまで育てた。この経歴だけを聞くと、まさにモーレツ女性社長をイメージするが、実に上品で言葉使いも丁寧な気配りのある女性社長であることに気づく。女性活躍時代といわれる今日、芯はしっかりしているが女性の慎み深さを失わない日本的女性社長ともいえる。

なお、この原稿は、16年にわたり500人の人々とあってきた毎週日曜日の午後9時半から私がホストを務めるTBSラジオ『嶌信彦 人生百景「志の人たち」』で収録したインタビューの一部である。

(TSR情報 2018年11月29日)

※参考まで、小松ばね工業様の製造工程の動画を共有いたします。本動画は、2016年に開始した、日本の高い技術を持つ町工場の製造過程の映像と音を気鋭のトラックメーカーがリミックスし作品化するプロジェクト「INDUSTRIAL JP」の一つで、この動画がレーベル設立のきっかけとなっています。

このプロジェクトは、以前「志の人たち」のゲストとしてお越しいただいた由紀精密様の大坪正人氏と電通総研様等で日本の中小企業の高い技術をクリエイティブの力で広めたいという思いから発足し、話題となっているものです。

小松ばね工業 × DJ TASAKA「KOMATSU BANE」

※関連参考サイト

小松ばね工業株式会社
INDUSTRIAL JP
● 嶌が以前大坪氏のことを記したコラム「─日本は戦後の第二創業に挑戦を─中小・零細企業に期待
● TBSラジオ『嶌信彦 人生百景「志の人たち」

image by: 小松ばね工業株式会社 - Home | Facebook

嶌信彦この著者の記事一覧

ジャーナリスト。1942年生。慶応大学経済学部卒業後、毎日新聞社入社。大蔵省、日銀、財界、ワシントン特派員等を経て1987年からフリー。TBSテレビ「ブロードキャスター」「NEWS23」「朝ズバッ!」等のコメンテーター、BS-TBS「グローバル・ナビフロント」のキャスターを約15年務め、TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」に27年間出演。現在は、TBSラジオ「嶌信彦 人生百景『志の人たち』」出演。近著にウズベキスタン抑留者のナボイ劇場建設秘話を描いたノンフィクション「伝説となった日本兵捕虜-ソ連四大劇場を建てた男たち-」を角川書店より発売。著書多数。NPO「日本ニュース時事能力検定協会」理事、NPO「日本ウズベキスタン協会」 会長。先進国サミットの取材は約30回に及ぶ。

無料メルマガ好評配信中

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 ジャーナリスト嶌信彦「時代を読む」 』

【著者】 嶌信彦 【発行周期】 ほぼ 平日刊

print
いま読まれてます

  • 上品、気配り、スピード感。主婦はいかにして会社を立て直したか
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け