子どもに何度注意し、言って聞かせても、なかなか行儀が身につかず悩む親御さんは多くいます。メルマガ『子どもを伸ばす 親力アップの家庭教育』の著者で家庭教育のプロの柳川由紀さんが、行儀や礼儀は「手本を見せ」、「できたら認め」、「他人に褒めてもらう」の3ステップで身につけさせることができると、それぞれ見せ方、言葉の掛け方、効果を具体的に教えてくれます。
子どもに行儀と礼儀を教えたい
Q. 息子の友だちが我が家に遊びに来たとき、玄関できちんと靴を揃えてから上がってきました。息子には普段から「靴を揃えなさい」と言っていますが、実際にはやっていないようです。どうすれば息子の友だちのようにできるのか知りたいです。(小1女児、小2男児のお母様より)
柳川さんからの回答
他家へ行ったときに、きちんとしたマナーを身につけていると、相手に対して失礼にならず、信頼も高まるでしょう。外国人観光客が日本人のマナーの良さを非常に高く評価しているのも、こうした行儀作法が行き届いているからなのでしょう。日本人の誇りとも言える行儀作法はおもてなしにも繋がります。
1.親が手本を見せる
「お行儀よくしましょう」と言っても子どもにはそれがどういうことかよくわかりません。普段から、「こういうときはこうするのよ」と難しい理屈は抜きにして、「行儀の良い動き」を教えます
靴を脱いだら、揃える、ご飯粒は残さず食べる、食事が終われば、食器を台所まで持っていく、人と会ったら挨拶をする、お礼は「ありがとう」ではなく「ありがとうございます」など手本を見せることです。
2.できたら認める
子どもが行儀作法を上手にできたら、その都度認めてあげましょう。その際は、「すごいね」ではなく「きちんと靴を揃えてあるのは気持ちいい、ありがとう」と、子どもが行儀作法をきちんとすることで、周りの人も気持ちよくなる、ということを伝えることが、マナーの大切さを知ることになります。
3.他人が褒めるチャンスを作る
他者から褒められた経験が、子どもの意識を変えます。親から言われて嫌々やっていたことがあったとしても、それを実行したときに、他人がそのことについて認めてくれたり、褒めてくれたりすると、そこから意識が変わります。
親は「ああしろ、こうしろ」と口うるさく、子どもにとってはまた言われた」と嫌な思いが募ります。しかし、他者(近所のおばさん、友だちの親など)から褒められると、行儀の良さで褒められるだけではなく、他者を気持ちよくすることができるんだ、と気づくことができます。
この気づきが、子どもの意識を変え「やらされていた」行儀が、「きちんとしよう」という主体的な行動になるのです。