やってませんか「プレ虐待」。子を叱る前に思い出したい5つの言葉

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親や親の同居人などによる痛ましい虐待事件が相次ぎ、親による体罰の禁止を明記した児童虐待防止法などの改正案が6月19日に成立。そういったことも影響してか、メルマガ『子どもを伸ばす 親力アップの家庭教育』には、自分自身の行動が虐待に当たるのか、どうすれば止められるのかとの相談が届いています。メルマガ著者で家庭教育のプロの柳川由紀さんは、虐待へと進展する「プレ虐待」行為と、そうしてしまう親の心理的原因を解説。頭文字の合い言葉「はみだして」で、思いとどまってほしいと訴えています。

私は虐待予備軍?

Q. 独身時代からの仕事を、結婚し母となっても続けています。会社や保育園では「素敵なワーキングママ」「やさしいワーキングママ」と言われています。夫も両家の親も協力的です。 それでも子どもたちに振り回され、思うように自分の時間をとれず、言うことをきかない子どもたちをひっぱたき、邪険に扱ってしまいます。これは虐待になるのでしょうか?どうすれば抜け出せるでしょう?(4歳女児、1歳男児の匿名のお母様より)

柳川さんからの回答

お一人で抱え込んでいて、精神的にきつそうですね。だからといって、子どもに手を挙げて良いわけではありません。あなたは、「虐待予備軍」と呼ばれる精神状態だと思います。虐待傾向にあるママたちの特徴と、そこから抜け出す方法についてお伝えします。

1.増える虐待予備軍

虐待予備軍とは、しつけという名目で体罰をしたり、放置したり、という虐待に成りかねない子育てを言います。具体的には、

  • 手や身体を叩いて叱る
  • 子どもが傷つくことを言う
  • 子どもを無視する
  • 子どもを押し入れ土に閉じこめる
  • 子どもをベランダや外へ閉め出す

などです。 子どもの成長に伴い、体罰が重くなり、「しつけ→体罰→虐待」へと進展するケースが多いのが事実です。ご自身の行動を振り返り、こうした行為はすぐにやめましょう。

2.プレ虐待をする心理

子どもにきつく当たる親の心理として、幾つか挙げられます。

  • 強すぎる脅迫観念:「〇〇でなければいけない」などという思い込みにより、子どもを枠にはめてしまうことです。
  • 自己愛が強い:子どもよりも自分を優先し、自分が周りからどう見られているかを気にします。ですから、自己評価が下がるような子どもの行動や態度を許せないのです。
  • 自分の存在を否定されることへの恐れ:子どもが言うことを聴かないのは、親としての存在を否定されている、と無意識に捉えています。
  • 完璧主義・真面目さ:手を抜くことができない、融通が利かないことです。

3.虐待する前に唱える合い言葉「はみだして」

しつけをする上で手を挙げてしまう方には特に覚えておいて欲しい5つがあります。

  • は:「恥じない」。子育てに悩んでいる自分、上手くいかない自分を恥じないと言うことです。
  • み:「みんな違ってみんないい」。自分の考えと違う価値観を受け入れることです。
  • だ:「脱・完璧」。仕事と家庭の両方を完璧にこなすのは無理です。完璧を求めるのをやめましょう。
  • し:「信じる」。子どもの育つ力を信じましょう。親の言うことを聴かないのは子どもなりの理由があるからです。自分の子どもを信じて待つこと。それが親の役目の一つです。
  • て:「手を借りる」。一人で全てをしようと思わずに、周囲の力を借りましょう。
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