時代遅れな国家公務員の労働実態。省庁別残業ランキング発表

2019.09.24
by ニシム(MAG2 NEWS編集部)
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「公務員になりたい」大学生の半数がそう答える日本。しかし、国家公務員は働き方改革への対応が遅れがちで、旧来型の慣習や効率化の遅れによる長時間労働が問題視されています。実際現場では、どれくらいの残業時間が発生しているのでしょう。そんな疑問に答えるべく、就職・転職のためのジョブマーケット・プラットフォーム「OpenWork」を運営するオープンワーク株式会社が、気になる「国家公務員の残業時間ランキング」を発表しました。

残業時間TOP3は70時間越えの過酷労働

国家公務員の残業時間ランキングTOP3は70時間超えという結果になりました。残業時間TOPの財務省は72.59時間、ついで2位が文部科学省の72.43時間、3位の経済産業省が70.16時間。かなりの長時間労働です。

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長時間労働の最大の原因は「国会対応」

不夜城」と呼ばれることもある霞が関ですが、上位機関の社員クチコミから見えてきたのは、「国会対応」というキーワードでした。国会運営の構造的問題を解決しない限り霞が関の働き方改革は難しいことが伺えます。

社員クチコミ(一部抜粋)

「やや改善していこうとする動きは見られるが、ワークライフバランスに対する意識は民間企業に比べると乏しい。国会や政治家等への突発的な対応が求められることも多く、プライベートを犠牲にされることも多々あり。(企画・調査、男性、財務省)」

TOP3の省庁は、議員の疑惑や不祥事などに関し、国会の代表質問でよく耳にしますが、まさか、野党の厳しい追及をかわすための書類集めに奔走されているのではなければいいのですが…。

残業時間10時間以下。裁判所は理想の職場

一方、余裕のある働き方が判明したのが裁判所残業時間は9.15時間という結果となり、財務省の約8分の1の長さでした。省庁と違い、「国会対応」が無いだけではなく、組織風土としても、ワークライフバランス向上を推進していることが伺えます。

社員クチコミ(一部抜粋)

「部署によるが、特に事務官のうちは一般的な企業の社員よりも残業は少ないと思われ、基本的に土日祝日が休みでかつ有給も取りやすいので、自分の時間は取りやすいと感じる。実際に子どもとの時間や趣味の時間を充実させている人が多い。(事務官、女性、裁判所)」

裁判所のように残業時間10時間未満なら、就業後のプライベートタイムも充実させられそうです。

ひとくくりに国家公務員といっても、これだけワークライフバランスに格差があることがわかりました。国家公務員を目指す人は、今後の就労環境の改善状況をよく確認したほうがよさそうです。

「OpenWork(オープンワーク)」https://www.vorkers.com/
source: オープンワーク株式会社
image by: Shutterstock.com

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