英語では、変態?「近畿でなく関西と呼ぼう」という動きがある訳

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「文化の歴史を学ぶ」と聞くと身構えてしまいますが、その対象が近所にある少し変わった地名や施設の名前に隠された由来といったものならば、それほど敷居は高く感じられないかも知れません。今回の無料メルマガ『おやじのための自炊講座』では、著者のジミヘンさんが公民館講座で学んだ、スーパー銭湯の地名検証から古代ギリシャと国連の関係などをわかりやすく紹介しています。

「文化の歴史」

皆さん、お元気ですか。ジミヘンです。

6ヶ月連続の公民館講座に出席している。講座名は「文化の歴史」。ちょっと漠然としているが、講師を務める田辺眞人先生の話が聴きたくて参加した。昨年10月開催の第1回目のテーマは「地名と生活史 ~阪神間の地名など」、翌月の第2回目は「都への四つの関門 ~関西と近畿」、第3回目になると先生が学校で長く教えていた世界史から「西洋古典文明と現代 ~オリンピックと国際連合」と変わる。

一昨年、神戸・住吉にスーパー銭湯「うはらの湯」がオープンした。はて、「うはら」とは何か。ネットで調べてみると、どうやら現在の芦屋市~神戸市灘区辺りを古い時代には「菟原(うはら)」と呼んでいたようだ。田辺先生は、阪神間の地名を解説する中で、西暦930年代に記された「和名抄」の一部を見せてくれた。摂津国の各郡の記載があり、武庫(むこ)・八部(やべ)の間に「兎原(うはら)」があった。万葉かなで「宇波良」と添え書きされていた。明治時代まで、今わたしが住んでいるこの地は、「菟原郡」と呼ばれ、やがて武庫郡と合併して、その名が消えた。このような地名の歴史を知らなくても暮らしてはいけるが、知っていると何と素敵なことだろう。1,000年前、この地の野原にはたくさんのウサギが駆け廻っていたのだ。

「関西と近畿」は、ほぼ同じエリアを指すが、最近になって「呼称を“関西”に統一しよう」という動きがある。その最大の理由は、「“近畿”がKINKY(風変わり、変態)の語感に似ているから」ということらしい。近畿大学の英語表記は、ここに来て「KINKI UNIVERSITY」から「KINDAI UNIVERSITY」に変わった。先生は以前から「“関西”を使うべき」と主張してきた。世界の中の日本を見据えていたのだろう。

「ヨーロッパとは何か?」を語る中で、ローマ文化は実用(万民法、土木)、ギリシャ文化は観念(哲学)だと言う。古代ギリシャでは、小さなポリス間の争いが絶えなかったが、戦争中であっても「聖なる休戦」としてオリンピア競技祭が実施された。19世紀末、フランスのクーベルタン男爵がそれに倣って始めた近代オリンピックの精神は単なる「スポーツの祭典」ではなく、精神の発達を願う文化プログラムであった。しかし今や「商業主義」に堕していると先生は嘆いた。

さて、4回目の講義の中で、古代ギリシャと「国際連合」について言及した。古代ギリシャは都市国家の集合体であり、それを束ねる者はいなかった。そんな中、紀元前6世紀、強力な軍隊を持つペルシャ帝国が侵攻してくる。3度に亘る戦争(マラトンの戦いなど)、そして再度ポリス間の内戦を経た紀元前4世紀、ギリシャの北部マケドニアにアレキサンドロスが登場する。この若き王は逆に古代オリエント世界へ攻め込み大勢力を築くが、32才で病死し、一代で帝国は消滅する。

「ギリシャという文明世界全体の戦乱・衰亡を救ったのは、文明世界の諸国連盟」であった。つまり、都市国家(ポリス)が連盟leagueを結んで国家(コスモポリス?)の運営に当たる。その基盤になったのが、多数決を基本にするデモクラシー。但し、その効果が期待できるのは民衆が「公衆」であるという条件下である。「民衆 people」には2つある。しっかりとした意識を持つ「公衆 public」と、烏合の衆とも言える「大衆 mass」。フェイク情報(=デマ)を流し、大衆を扇動する政治を「衆愚政治」という(現在、世界に蔓延しているように見える)。

1920年、第一次世界大戦後の秩序を構築するために誕生したのが「国際連盟」であり、1946年第二次世界大戦後に生まれたのが「国際連合」である。これらは、古代ギリシャの歴史から学んだ成果であった。

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【著者】 ジミヘン 【発行周期】 週刊

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