オンラインの方が遅い可能性も。給付金10万円いま申請するなら?

2020.05.19
by tututu
 

オンライン申請と郵送申請の根本的な違い

連日ニュースでも報道されていたように、役所の窓口は5時間待ち、8時間待ちなどという、人気アトラクションよりも酷い待ち時間となっていたようだ。いくら人が多く訪れたとはいえ、なぜここまで窓口対応に時間がかかってしまうのか? そこにはオンライン申請と郵送による申請で行う作業に、大きな違いがあるからだ。

まず、「郵送による申請」の場合。住民基本台帳に基づいて、世帯主など必要事項は全て印字済み。したがって、役所が行う作業は申請者から返送されてきた書類に書かれた振込口座の確認のみ。流れ作業のように、スムーズに作業を行うことができる。

一方、「オンライン申請」の場合はそうはいかない。実はマイナンバーカードの本来の目的は、社会保険、税、災害対策の3分野の行政手続きを簡素化することにある。今回のような感染症による給付に関しては想定外のため、法律的に住民基本台帳とひもづけて使うことができないのだ。

ひもづけられないということは、確認作業が手作業になるということ。そのため、役所で入力された住所や氏名などの情報を、わざわざ自治体の住民基本台帳と突き合わせる作業が発生する。これが膨大な時間を要することになってしまうのだ。

実は郵送申請の方がスピードは10倍速い

例えば、東京都品川区の場合。テレビ朝日によると、品川区では2人一組で申請内容と住民基本台帳の突き合わせ確認作業を行っていて、処理できる数は一日あたり350人分だという。

これが住民基本台帳の突き合わせ作業が必要のない郵送による申請になると、何と一日あたり3000人分の処理が可能となる。単純にスピードは約10倍。これだけ見ても、本来は早いなずのマイナンバーカードによるオンライン申請が、全くの本末転倒になっていることがおわかりだろう。

ちなみに、今からマイナンバーカードを作ろうとすると、できあがるのは約2か月先になるという。

あなたはどっちを選ぶ?

人口が少ない市区町村ではすでに給付が始まっているところもあるが、大都市では郵送による申請自体がこれからという自治体が多い。

東京23区の場合、中野区と練馬区はすでに5月15日から申請書の発送をスタートしていて、その他の区でも5月中旬から6月初旬にかけて発送される。給付の開始については、5月下旬から6月下旬に行われる予定。神奈川県横浜市や川崎市、埼玉県さいたま市、千葉県千葉市など、同様のスケジュールになるという自治体が多いようだ。

もちろん、各自治体によって状況は異なるが、カードを持っていない人や暗証番号を忘れてしまった人については、オンライン申請よりも郵送の方が早い可能性がある。マイナンバーカードの準備が整っていなくて、かつ特別急ぐ必要がなければ、申請書の到着を待った方が賢明かもしれない。

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