日本は「ガラガラポン」できるか?経済と外交を改善するラストチャンス

 

3. 金融問題と中国問題

今、困っていることには原因があります。とりあえずの対象療法も必要ですが、原因を解決しないと問題は繰り返し発生します。

例えは、景気が悪いのはデフレが原因です。デフレの原因は、市場で流通する通貨量が少ないことです。

富裕層も中間層も貧困層も生活必需品への支出はそれほど変わりません。しかし、富裕層は投資にお金を使います。通貨が株式投資に回れば、株価は上がりますが、デフレはそのままです。

富裕層にお金が回れば、やがて貧困層にもお金が回るという説は誤りでした。貧困層にお金を回すなら、消費税を上げるより、累進課税や貯蓄から税を取る方が良いのです。

デフレの原因は金融政策だけではありません。国内生産から中国生産への転換が商品の価格を下げ、市場を収縮させました。

コロナ禍で中国がマスクを輸出禁止にした時、私も中国生産について考えました。中国生産は日本企業が利益を上げるために行ったはずなのに、日本国内のメーカーが大量に淘汰されました。流通小売業も市場の収縮により、売上も利益も下がりました。結局、儲けたのは商社だけであり、その商社も中国の人件費が上がって採算が悪化しています。

反面、中国人は豊かになり、日本に観光に来て、神戸牛などの高級食材を食べ、ブランド商品を買い漁っています。日本人は中国人にサービスする存在になってしまいました。

結果的に中国は豊かになり、日本は貧しくなりました。その原因はグローバリズムであり、中国生産だったというわけです。トランプ大統領が中国とのデカップリングを発表した時、最初は「そんなことは不可能だ」と思いました。しかし、もし可能ならば、日本にとって大きなチャンスになると思うようになりました。

日本が貧しくなった原因は、間違った金融政策と中国生産への依存です。そして、そこから生れたコスパ優先の価値観です。

中国問題と金融問題を語らない政治家は、コップの中で仕事をしているだけです。

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