福島第一原発で異常事態。M7.3地震後に水位低下、地震計「故障」は本当なのか?カンニング竹山の“勘違い”に批判の声も

2021.02.24
by tututu
福島原発①
 

東京電力は今月13日に発生した地震が福島第一原子力発電所へ与えた影響を22日まとめ、原子炉を収めた格納容器の水位の低下傾向が続いているとした。NHKなどが報じた。原子力規制委員会は注水は継続していて安全上の問題は現状ないとしたものの、地震が大きな影響を与えていることに不安の声が広がっている。

地震の影響で福島第一原発の水位が下がり続けている

記事によると、福島第一原発では溶け落ちた核燃料を冷却するため注水を続けているものの、1号機と3号機の格納容器の水位がいずれも数十センチほど下がり、その後も低下傾向にあるという。

地震前は1号機では底部から約1.9メートル、3号機では約6.3メートルの水位が保たれていたが、現在は1日数センチ程度のペースで水位低下が続いている。

過去のデータを調べたところ、1号機は15日ごろから、3号機は14日ごろから水位の低下傾向が始まったとみられるとされ、地震の影響があったことは間違いなさそうだ。

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また、水素爆発を防ぐため格納容器には窒素が注入され圧力が高くなっているが、1号機では大気圧との差を計測する圧力計の値が1.2キロパスカルから0.1キロパスカルまで下がり、ほぼ大気圧になっているとされている。

他にも、汚染水を処理したあとの水を保管するタンク6基が地震で最大5センチずれていたことも明らかになったが、東京電力は「原子炉への注水や、溶け落ちた核燃料の冷却は維持されており、東電は外部への放射能の影響はない」とコメント。その見通しの甘さに疑問の声が上がっている。

「地震計の故障を放置」は本当?都合の悪いデータが取れた疑いも

また、東京電力は22日、福島第一原発3号機の原子炉建屋に昨年設置した地震計2基が故障していたにもかかわらず、修理などの対応をせず放置していたため、13日に起きた地震の揺れのデータを記録できていなかったことを明らかにした。共同通信などが報じた。

地震計は昨年3月に設置されていたが、7月の大雨などによる影響で故障。東京電力はそのことを把握していながら、対応を怠っていたという。

地震から1週間以上経過しても東京電力は事実を明らかにせず、22日に開かれた原子力規制委員会の会合で、委員らの質問に対して答えて発覚した。

東京電力の担当者は「貴重なデータを取ることができなかった。反省すべき点だ」と釈明したが、出席した有識者からは「危機管理ができていない」などの批判が相次いだ。

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こうした東京電力の対応に批判が集まっているが、一方で「本当に故障だったのか?」と疑う声もある。

13日に起きた地震の揺れのデータを記録できていたら、むしろ都合が悪かったのではないか、だから故障したということにしたのではとの見方だ。

確かに地震計がそんな簡単に壊れるというのは不自然で、「7月の大雨の影響で~」というのも取ってつけたような理由に聞こえる。

真実は不明ではあるが、こうした疑念が持たれることも、東京電力に隠ぺい体質があると思われている証拠でもある。

「地震計が故障していた」ことに疑いを持って報じるメディアは少ない。果たして真実はどこにあるのだろうか。

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