東日本大震災から10年、地震予測の権威が指摘する「いま警戒すべき3地域」とは?最新リモートセンシング技術が日本列島の異変を捉えた

 

第2章 この8年の地震予測の進歩と、体制上・技術上のトピックについて

【中国・北京工業大学や民間人の技術を導入】

当初は、村井俊治と当時顧問を務めていた荒木春視氏の二人が開発したGPSを利用して「地殻変動」から地震を予測するのが唯一の方法であった。

橘田と谷川はそのデータを図表に展開する技術がなく、読者に満足ゆく内容を提供することができていなかった。村井は日々新しい地震予測方法を研究し、橘田と谷川はGIS(地理情報システム)技術の習得に励んだ。

その結果、徐々に図表も充実し、メルマガの分量も増えていった。

その頃、かつて村井が会長を務めていた国際写真測量・リモートセンシング学会のメンバーから、中国の北京工業大学の地震研究所で面白い地震予測をやっているという情報が入った。我々はすぐにアポイントを取り会いに行った。

ここで一つの重要なキーワード、「リモートセンシング」が出てくる。「リモートセンシング」は地震予測には欠かすことのできない技術だが、これについては後ほど詳しく説明することにして、話を北京工業大学に戻す。

そこでは様々な地震予測方法をおこなっていたが、中でも人間の耳には聞こえない「インフラサウンド」による地震予測方法が目を引いた。さっそく我々にもそのセンサーを分けてもらえるようお願いし、一年後には受け取ることができた。これは現在も地震予測に利用している。いま2台目を発注済みで、まもなく新しい機器でも観測が始まる。また、今回から北京と台湾と東京をネットワークで結び、より精度の高い地震予測を目指すことに挑戦する予定だ。

さらに、民間人で地震予測をコツコツ行っているという大阪在住の中村文一さんからも気温の変動を利用する新しい地震予測方法をお聞きした。その後、中村さんと村井の二人で研究を重ねて特許も取得した。

村井はその他、様々な新しい地震予測方法を開発し、JESEAとして6つの特許を取得している。

【最新の地震予測「気象衛星画像判読」とは】

現在、最もホットな地震予測を紹介しよう。中国南陽師範大学で災害リモートセンシングの研究をしていた理学博士の郭広猛教授と村井との間で、約2年間にわたり研究してきた「気象衛星画像判読」による地震予測である。

この技術を使って約2年間で11回地震を予測し、10回がほぼ的中していた。

郭教授は、昨年11月に来日し、JESEAのスタッフに加わり主席研究員として日々研究をおこなっている。彼の加入はJESEAの大きな飛躍の始まりである。

現在、その「気象衛星画像」に異常が出ている。JESEAではこの異常が大きな地震に繋がると考えており、第4章で詳しくお伝えしたい。

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