CoCo壱バイトテロ“炎上”に4つの違和感。背景にある外食産業の構造的欠陥

shutterstock_1796232601
 

大手カレーチェーン店のアルバイト店員による不衛生行為を撮影した動画が拡散し、運営会社本部が謝罪する事態となったニュースが大きく報じられています。このような「アルバイトの不潔な悪ふざけ」はなぜ頻発するのでしょうか。今回のメルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』では著者で米国在住作家の冷泉彰彦さんが、これらの問題に対する4つの違和感を挙げるとともに、バイトテロ発生の背景にある「外食産業の構造的欠陥」を指摘しています。

政治経済からエンタメ、スポーツ、コミュニケーション論まで多角的な情報が届く冷泉彰彦さんのメルマガ詳細・ご登録はコチラ

 

【関連】「バイト炎上動画」問題で露呈した、外食大手チェーン店の脆弱性
【関連】バイト炎上動画で「人生終了」に違和感。本当に悪いのは誰か?

納得できないバイトテロ問題

カレーの全国チェーン店で、厨房のアルバイトが「不潔な悪ふざけ」を撮影した動画が拡散してしまい、チェーンの本部が謝罪に追い込まれました。どうにもやり切れないニュースですが、毎度のことながら、同時にどこかスッキリしないものも感じます。

1つ目は、どうして「そこまで気にするのか」という問題です。まずこうした行動は悪質なモノであっても、イタズラであり、実際に不衛生な食品が消費者に渡るような行為ではないわけです。にもかかわらず、大きく報道され、また報道されることでブランドイメージが、そこまで損なわれるというが、100%理解できません。

勿論、そうした動画を見ただけで不快感を感じて、そのブランドへの購買意欲が減退する、そのぐらい過敏であることが衛生概念の証明だということは言えます。その衛生概念の徹底ということが、今回の新型コロナにおける「欧米と比べて人口比で感染も死亡も20分の1」という結果になっているということも言えます。

ですが、悪いことをしたのは、特定の店の特定の人間が特定の機会に行ったのであって、悪質であってもイタズラであって実害はない、ということを分かっていていて(安全だが)も、何も感じずにそのブランドを利用することはできない(安心ではない)という点ではマイナスイメージが歴然とある、という傾向が強い社会というのは、本当に万人が幸福な社会なのか、そもそも社会として問題や危機に強い社会なのか、ということは考えた方が良いように思います。

アカンことは確かなのですが、そこまで大きく反応すべきことなのかということです。

2番目は、拡散した人間の存在です。この種の事件が起きるたびに、制限された仲間内だけの公開であるのに何故という「犯人」の声が出てきます。つまり、シャレでやって、秘密にしておいて、それで済ますという前提でのイタズラにも関わらず、ネットの空間に流出してしまったわけです。

その場合には、拡散した人間がいると考えるしかありません。犯人の仲間内で、誰かがオープンなエリアに拡散したのです。一旦拡散してしまえば、ネットでは無制限にコピーされて加速度的に拡散するわけですが、そのキッカケを作ったのは、犯人だけでなく流出させた人間です。こちらへの批判や告訴といったことがあっても良いのではないかと思います。

政治経済からエンタメ、スポーツ、コミュニケーション論まで多角的な情報が届く冷泉彰彦さんのメルマガ詳細・ご登録はコチラ

 

print
いま読まれてます

  • CoCo壱バイトテロ“炎上”に4つの違和感。背景にある外食産業の構造的欠陥
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け