イラン“対米強硬派”大統領誕生で「イスラエルの先制核攻撃」が懸念される理由

 

日本政府と日本企業に「仲介」を期待したい理由

私は個人的にイランと特別な関係を築いている日本政府と企業に期待しています。

ホルムズ海峡問題は、緊張が高まれば日本経済に多大な被害を与えることになりますが、イラン政府も革命防衛隊も、日本に対してはネガティブな感情を抱いていないのが現実です。

安倍前総理がイラン訪問した際、『来たところで何もできない』という否定的な論調も多かったのは事実ですが、同時に『このような状況下でよく来てくれた』という声も根強く、ハメネイ師もライシ氏も高く評価していると聞きます。

またこの訪問に際し、トランプ前大統領からも訪問を依頼されたというエピソードもあります。

もしバイデン大統領が対イランで袋小路に陥り、対応に困った場合、ライシ氏が大統領に就任してすぐに、菅総理がイラン訪問をして緊張緩和の必要性に言及することが出来れば、事態のエスカレーションを防ぐための種まきができるのではないかと考えています。

アメリカが唱える対イラン制裁からも距離を保っている日本ですから、日本企業による協力拡大もやり易いかもしれませんし

(トランプ前大統領のように、バイデン氏があからさまな圧力をかけないなら)、核開発に対しては、IAEAによる査察を後押ししつつ、核の平和利用という観点から政策的・技術的な協力を深化させることも可能だと考えます。

もし私の見立て通りなら、中東の地域大国(イラン、イスラエル、サウジアラビアなど)の対立が深刻化していくような事態になった場合、日本が仲介者の役割を担えるのではないでしょうか。

ライシ氏の大統領就任によって国際社会からの孤立が深まり、より先鋭化する可能性を秘めたイラン。

そのイランとの対話を模索しつつも、国内の反イランの空気は無視できず、かつ親イスラエルのアメリカのユダヤ人勢力にも配慮しなくてはならないバイデン大統領とも“よい”関係を築いている日本の菅総理。

私には日本の望ましい立ち位置が見える気がするのですが、皆さんにはどうでしょうか?

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