「帰省デモ」が示す日本国民の怒りとユーモア。「コロナに打ち勝った証として帰省する」「帰省について定義するのは困難」「仮定の質問にはお答えできない」これすべてアベスガ内閣の“自己責任”

2021.08.03
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by tututu
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東京五輪の大会関係者を乗せた乗用車が1日、東京都内の首都高速道路で車両2台に相次いで追突する事故を起こし、そのまま走り去っていたことが明らかになった。毎日新聞などが報じた。しかし、この事故を「当て逃げではない」との考えを大会組織委が示し、国民から怒りの声があがっている。

東京五輪のためなら何でもアリ?五輪関係車両の事故急増

事故を起こしたのは大会ボランティアとして車を運転していた神奈川県に住む会社員の50代男性。警視庁によると、車両は前方のトラックと軽ワゴン車に相次いで衝突し、軽ワゴン車に乗っていた女性2人が負傷し搬送された。

大会関係者1人を千葉県へ運ぶ途中だったといい、男性は警察の調べに対して「スタッフを送ることを優先した」と話しているという。

五輪関連の交通事故が増える中、東京五輪・パラリンピック組織委員会の高谷正哲スポークスパーソン(SP)は2日、この“当て逃げ”事故について問われ、「逃げているような状態は一切ありません」と否定。

その上で、「すでに警察の調査が始まっている。当て逃げという表現について、最終的にどう表現するかは調査を終えたところでお伝えしたい」と話し、事故は“当て逃げ”ではないという考えを示した。

だが、五輪ボランティア男性が運転する車両は車2台にぶつかった後、前方部分が大破したまま十数キロ走り続けており、これを「逃げている状態ではない」といえるのだろうか。

男性が千葉県内のインターチェンジを降りたところで、同県警が停止を求めて職務質問。これがなければ男性はそのまま会場まで大会関係者を乗せ、送り届けていただろう。

高谷SPの詭弁とも捉われかねない言い訳。大会関係者が絡む交通事故は、五輪が開幕した7月23日以降、今回の事故を含めて76件発生。事故以外にも一時不停止や違法駐車の放置などの交通違反が28件確認されている。

五輪ファーストに反発。ネットでは「帰省大喜利」開催中

東京五輪に関わる人間は何か不都合な問題が起きた時、五輪を正当化するために詭弁的にならなければならないのだろうか。

今回の当て逃げ事故に関する高谷SPの詭弁はここ最近の政治家や官僚にも類似しているといえる。

全国知事会は1日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた4府県への緊急事態宣言の追加発令を受け、対策本部の会議をオンラインで開き、都道府県境をまたぐ夏休みの旅行や移動について、「原則中止・延期」を国民に呼びかけるよう、政府に求める緊急提言をまとめた。

これを受け、加藤官房長官は2日午前の会見で「政府としても夏休み時期における感染拡大を抑えていく必要があると考えている」と同調している。

県境をまたぐ帰省は中止の一方、国境をまたぐ五輪は続行という矛盾。政治家や官僚は国民の行動を制限するにもかかわらず、東京五輪については何も言及しない。まさしく詭弁そのものである。

お盆直前のタイミングで出された規制の原則中止。国民からは怒りの声が噴出し、さまざまな意見が上がっている。そんな中、ネットでは「帰省」の大喜利合戦で盛り上がっている。

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また、お盆のこの時期に国民が一斉に帰省することで、“抗議デモ”の一環にしようという声もある。行動制限に反発してみんなで帰省すれば、それがデモやストライキのようになるのではないかという考えだ。

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全国知事会から提言されたことで帰省は禁止ということになりそうだが、よく見ると「原則禁止」となっている。ということは、永田町や霞が関の論理では“例外もある”ということになる。

解散総選挙を前に、政治家たちは是が非でも地元に帰りたいはずだ。帰省する政治家も出てくると見られるが、その時どのような言い訳をするのだろうか。

かつて安倍首相(当時)が桜を見る会で参加者を募集した事実を国会で問われた際、「募っているが募集はしていない」という珍発言をした。

「原則禁止」の中、選挙のために里帰りする政治家たちも、「里帰りはしたが帰省はしていない」、「帰省ではなく旅行の認識だった」などという言い訳をするかもしれない。

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