老齢年金の制度はどうなっている?年金のプロが5つの重要論点を事例で解説

 

3.老齢厚生年金の計算

昭和30年3月15日生まれのC子さん。18歳の翌月である昭和48年4月から50歳になる平成17年3月までの384ヶ月は厚生年金加入した。

なお、平成15年3月までの360ヶ月間の平均標準報酬月額は40万円とし、平成15年4月から平成17年3月までの24ヶ月間の平均標準報酬額は45万円とする(20歳になるのは昭和50年3月からで、ここから平成17年3月までの361ヶ月間は国民年金に同時加入とみなす)。

50歳から60歳前月までの120ヶ月間は国民年金に加入したが未納にする。

いくらの老齢厚生年金になるか。

先に計算すると、40万円×7.125÷1,000×360ヶ月+45万円×5.481÷1,000×24ヶ月=1,085,194円

さらに、65歳になると差額加算→1,628円(令和3年度定額単価)×384ヶ月-780,900円÷480ヶ月×361ヶ月間(昭和36年4月以降の20歳から60歳までの厚年同時加入期間)=625,152円-587,302円=37,850円

老齢基礎年金→780,900円÷480ヶ月×361ヶ月(20歳から60歳までの間の厚年期間)=587,301円

まず、平成15年度で期間を分けているのは平成15年3月までは賞与を年金額に含めず、4月以降は賞与も含むようになったからです。賞与を含む事で今までの平均標準報酬月額が1.3倍に上昇する事になりました。

そうすると、平成15年3月まで加入した人より、平成15年4月以降に加入した人のほうが賞与を含むので年金額が多くなってしまいますよね。それは不公平ですよね。

加入した期間により年金額に差を付けるわけにはいかないので、平成15年3月までの乗率7.125から賞与分1.3倍に上昇した分を下げる事になりました。7.125÷1.3=5.481にすれば、平成15年度前後で年金額に差が付く事が無くなります。

ちなみに、賞与から保険料を取っていたのは平成7年4月からですが、この時は賞与の1%の保険料を取っていました。これは特別保険料といって年金額には反映させずに、年金財源として使っていました。

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