「ビジョナリーカンパニー」において、IBMのトーマス・ワトソンが言ったことをあげて、そのあり方をさぐります。
「どうすれば共通の目的と方向性を維持できるのか。われわれが信念と呼ぶものの力と、社員の心を動かす魅力にある。成功をもたらす要素の中で最も大切なことは、そうした基本的な信念を守り抜くことである」
だから「ビジョナリーカンパニー」は、以下のことをすすめています。
“信念(基本的価値観)”と“目的”を考え抜き、企業独自の「基本理念(経営理念)」として文書化することが重要である。
その構造は、次のような要素より成り立ちます。
基本理念(経営理念)=基本的価値観+目的基本的価値観=組織にとっての不可欠で不変の主義
目的=単なる金儲けを超えた会社の根本的な存在理由
まず、この基本理念が斉合性がないのであれば成果は得られないのです。
■さあ、やってみよう「基本的価値観」の文書化
「基本的価値観はごくわずかで、3つから6つである。6つ以上超える項目がリストアップされた場合、こう自問するように勧めたい」として、「外部の環境が変わっても、たとえ、これらの価値観が利益に結びつかなくなり、それによって不利益を被ることになったとしても、守り抜くべきものはどれか。逆に、これらの価値観を掲げていては不利になる環境になった場合に、変更でき、捨て去れるものはどれか」「こうして考えてみると、どれが本物の価値観なのか見きわめる役に立つだろう」と助言しています。
このことは「時代を超えた原則」項目と関連します。
・利益を超えて(経営理念に基づく目的、目標が達成がなければ)
・基本理念を維持し、進歩を促す(失敗の乗り越えで実行し続ける)
・社運をかけた大胆な目標を掲げてのチャレンジが必要である。
・カルトのような文化を、一貫性をもって実行し続ける
※ 付言として「他の企業の“基本的価値観”をもとに、自身の企業の基本的価値観をつくる罠には、絶対にはまらないようにすべきだ。他企業をまねたのでは『基本理念』にはならない」とあります。