元凶はスーパー?熊本アサリの産地偽装問題、落とし穴だらけの根深い闇

 

なぜ、産地偽装を行うのか、この産地を表示すると、お客様が高く買ってくれるから、この一言に尽きるのです。だまされたお客様は、「思ったより美味しくない」と感じてしまうと、偽装された食材自体を購入しなくなるだけなのです。

スーパーの売り場の管理では、スーパーに入荷してきた、食材の産地表示と、段ボールの産地表示を確認し、売り場に間違わないように表示するしか、対応策はないのです。

国産と、アメリカ産では、スライスされた肉の表面を見れば、区別できる、豚肉、養殖と、天然が区分出来る「鯛」などと違って、外観を見ただけでは、判別出来ない物に関しては、運んで来る業者の方を信じるしかないのです。

一般的に複数店舗展開しているスーパーでは、野菜、肉、魚介類を店舗に配送するセンターに、運んでもらい、店舗別に仕分けを行って配送を行います。

配送センターまで、配送してくれる業者は、バイヤーが選定します。バイヤーが選定するときに、スーパーによっては、本部の品管の方が、適正な業者かどうかを監査する場合があります。

しかし、一般的に監査は、加工食品に対して行われ、生鮮食品については、あまり行われていないのが実情です。

ウナギなど、産地偽装が報道された場合などは、本部の品管が監査を行う場合があります。

今回、仕入れ先に監査を行っても、熊本の海を見て、袋詰めを行っている所の監査を行っても、監査で、産地偽装を行っている所を発見する事は困難だったと思います。熊本を経由しないで市場に出荷していた業者のあさりを掴まされた所も、市場で仕入れる方を信じてしまえば、監査で見つけることは困難だったかもしれません。

産地が特定されている、熊本のアサリ、新潟コシヒカリ、夕張メロンなどに関しては、収穫量と、販売量を季節毎に集計すれば、産地偽装は、明確になりますが、どこが集計し、集計したあとの対処をどうするか考えてしまいます。

最終的には、スーパーのバイヤーとしては、仕入れ先の責任者の考え方、行動から、信じられる会社かどうかを判断するしかないと思っています。組織の倫理感は、責任者の倫理感を超えることはないからです。

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