元凶はスーパー?熊本アサリの産地偽装問題、落とし穴だらけの根深い闇

 

スーパー側にも問題があります。「熊本県産のあさりの特売を打ったから量を揃えてくれ」と無理な注文をしてしまうからです。加工食品の様に、量の調整が効けばいいのですが、生鮮品は、急に収穫量が増えたりしません。いつもは、売らない商品を、急に特売で、販売量を増やす事は出来ないはずです。

「揃えられないのならもういいよ、次から注文しないから」、「揃えるのが仕事だろう」と言われると、産地、規格を偽装してでも、商品を揃えてしまうかもしれません。

納品先、販売者双方の、倫理感、お客様に対しての企業姿勢が現れてしまうと思います。

消費者も「特売の商品がなんで無いの」、「夕方売り切れているなんて」と言うことなく、「売り切れごめん」の考え方が必要だと思っています。売り場にいつでも商品が並んでいるのが当然と言う意識を変える必要があるのです。

鶏卵の様に、毎日同じ数しか産まれない物が、特売時だけ多く販売されることに、疑問を持つべきなのです。

熊本の海を経由すること無く、アサリを販売していた、会社の責任者の部屋、態度、考え方を是非、見てみたいものです。お客様が、アサリを食べている姿を考える事無く、アサリが、利益にしか見えていなかったはずです。

スーパーの責任者が、納品先の責任者と定期的に合い、仕入れ先の責任者の考え方を知ることは、大切な事と考えます。

商品の品質は、販売する責任者の考え方を超えないはずです。商品がお金にしか見えない方は、美味しいもの、安全な物を販売しようとは、決して思わない物です。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 河岸宏和(食品安全教育研究所 代表) 【発行周期】 ほぼ 週末刊

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