野党第1党の座を守れるか?創立メンバーが存在感を放ちだした立憲民主党

2022.07.05
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彼らが大きく開き直って攻撃モードに転じたのは、単なる「維新との主導権争い」だけではない。背景にあるのは、ロシアによるウクライナ侵攻という現実だ。辻元氏は3日、蓮舫氏とともに吉祥寺駅前で街頭演説に立ち、こう訴えた。

「ロシアにも強い野党があれば、戦争を回避できたかもしれない。皆さんの1票で与野党伯仲のしっかりした議会を作り、民主主義を強くしておくことが、戦争を絶対させない唯一の方法です」

立憲のこうした姿勢が選挙戦術として奏功するかどうかは、筆者には分からない。むしろ、選挙中のマスコミ批判は、党にとってリスキーであるとも言える。

ただ、筆者はそれでも、党のこうした姿勢は評価したい。政治に限った話ではないが、最近は批判することをまるで「悪」のようにとらえる空気が蔓延しすぎている。誰かがどこかでこの流れを止めないといけない、と考えるからだ。批判という言葉に再び、ポジティブな意味を与えなければならない。

結果的に立憲の姿勢は、党にとって望ましい選挙結果につながらない可能性もある。それでも「批判することには肯定的な意味がある」という考えが社会に少しでも取り戻されるなら、それは野党全体の再生に向けた、小さな、しかし確かな一歩になるのではないだろうか。

まずは10日の投開票でどんな評価が下されるのか、興味深く見守りたい。

image by: Twitter(@立憲民主党

尾中香尚里

プロフィール:尾中 香尚里(おなか・かおり)
ジャーナリスト。1965年、福岡県生まれ。1988年毎日新聞に入社し、政治部で主に野党や国会を中心に取材。政治部副部長、川崎支局長、オピニオングループ編集委員などを経て、2019年9月に退社。新著「安倍晋三と菅直人 非常事態のリーダーシップ」(集英社新書)、共著に「枝野幸男の真価」(毎日新聞出版)。

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