長渕剛の原点は母が歌う童謡。師と仰ぐ彼女から厳しく教えられたこととは

 

──含蓄に富んだ教えです
だからといって、生涯嘘をつかないで生きてきたわけじゃないんですが、ただやっぱり人が不幸になる嘘ってありますから、それは小さい頃から言わないようにしてきました。

それから母は苦しい時や悲しい時に、よく歌を口ずさんでいました。

童謡です。

おそらく僕のDNAに刻み込まれているメロディーっていうのは、母を通して聴いた童謡が非常に大きく影響しているんじゃないかなと思います。

──お母様の歌っていた童謡が長渕さんの音楽家としての原点なのですね

家の近くにある小高い山の畦道を登っていくと水源地があって、母は父と喧嘩をしたりすると、僕を連れてそこに行くんです。

いまでもその情景が目に浮かびますけど、切り株に腰を下ろして童謡を歌ったり、自然を眺めたり、つくったおにぎりを食べさせてくれたり、夕焼け空になるまでじっと佇んでいる。

父は国家公務員とはいえ、給料は本当に安かった。母はそんな中で姉と僕を育てながら家庭を切り盛りしなければならない。

だから、金銭の苦労、それに伴う父との諍いは絶えなかったんでしょう。その時の母の背中とか歌声、夕焼けの茜色、そういったものが子供心にも悲しいほど切なく感じられました。

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【著者】 致知出版社 【発行周期】 日刊

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