安倍氏が残した負の遺産。現役サラリーマン「9割が老後貧困」の現実

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傘寿や米寿、卒寿といった長寿祝いの存在が証明するように、かつては幸せとされた長生き。しかし大多数の現役サラリーマン世代にとって、長く生きるということは「辛い生き地獄が続くこと」に他ならないようです。今回のメルマガ『神樹兵輔の衰退ニッポンの暗黒地図──政治・経済・社会・マネー・投資の闇をえぐる!』では投資コンサルタント&マネーアナリストの神樹兵輔さんが、現役世代の9割が貧困老人となる厳しい現実を紹介。その上で、こうした結果は世襲議員が4割を占める自民党に政治を任せ続けてきたツケだとの見解を記しています。

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現役サラリーマンの9割が「貧困老後」に陥る──という近未来の地獄!

みなさま、こんにちは!「衰退ニッポンの暗黒地図」をお届けするマネーアナリストの神樹兵輔(かみき・へいすけ)です。今回のテーマは、「現役サラリーマンの9割が貧困老後に陥る──という近未来の地獄!」というテーマでお届けしたいと思います。

昔の老後はとても短かった!

少子高齢化の問題がマスコミで顕著に取り上げられるようになったのは、今から30年近く前の、バブルが崩壊した1990年代に入ってからでした。しかし、日本の出生率が減少傾向を帯び始めたのは、実は戦前の1920年代からという長期データがあります。明治維新以降の工業化の過程で、日本では人口が急速に増える「人口爆発」を経験し、政府も対外拡張政策で多産化を奨励してきました。しかし、やがて1926年にはじめて合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子供の数)が5を割り込みます。そして1949年には4を割り込み、52年には3を割り込みます。1974年には、人口置換水準(その時点の人口を維持するために必要とされる合計特殊出生率)である2.07を割り込み2.05となったのでした。以降はずっと2を割り込んだままです。合計特殊出生率は、2005年に過去最低の1.26を記録したのち、2016年には1.45となるも、ずっと低水準で推移しています。

2016年には、出生数も初めて100万人を割り込み、98万人となりました(死亡数は129万人)。そして2021年には、出生数が81万1,604人、死亡数が143万9,809人、合計特殊出生率は1.3でした(6年連続低下)。出生数がどんどん減って、死亡者数がどんどん増えていることが窺えます。差し引き(自然増減数)で、ざっと63万人の人口が2021年の1年間で減ったのです。この出生数と死亡者数の差し引き水準(自然増減数)は、年々増えていきますから、これからも人口減少に拍車がかかっていくことが予想できるでしょう。

多産時代に志向された考え方では、親が働けなくなった老後に助けてもらうべく子供を産む──というより、農業に従事する家庭が多く、労働力確保の意味合いが強く、乳幼児の死亡率が高かったため──といわれています。なにしろ、1950年の平均寿命は、男性が58歳、女性が62歳でしたから、働けなくなる「老後」という期間も短かかったのです(厚労省・簡易生命表)。50歳代で定年を迎えて引退したら、わずか数年後には死んでいく人が少なくなかったからです。そもそも「老後の心配」をほとんどする必要がなかった時代──ともいえます。多少の蓄えがあれば、死ぬまでが 「短い老後」 なので、生計も何とかなっていたわけです。また、子供の数も多かったので、子供たちに面倒を見てもらうことも可能だったでしょう。

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