加速するプーチン離れ。集団安全保障条約機構で高まるロシアへの不満

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旧ソ連の6カ国で構成され、「ロシア版NATO」とも言われる集団安全保障条約機構(CSTO)。そんな軍事同盟が今、崩壊の危機に立たされています。今回の無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』では国際関係ジャーナリストの北野幸伯さんが、CSTO内で高まりを見せるロシア離れの動きを紹介するとともに、その流れを招いた原因を解説。さらに旧ソ連圏での影響力低下につながったプーチン大統領のウクライナ軍事侵攻を、「戦略的敗北」と切り捨てています。

プーチンの大戦略的失敗で崩壊に向かうCSTO

今日は、日テレニュース11月24日から見ていきましょう。

プーチン大統領は23日、ベラルーシやアルメニアなど旧ソ連圏6か国の軍事同盟であるCSTO(=集団安全保障条約機構)の首脳会議に出席しました。

 

この中でアルメニアのパシニャン首相は、隣国アゼルバイジャンとの衝突にCSTOが介入する役割を果たさなかったと不満を述べ、一部の合意への署名を拒否しました。

 

また、プーチン大統領がウクライナ情勢について説明したのに対して、カザフスタンのトカエフ大統領は、「和平を模索する時が来た」と苦言を呈しました。

 

トカエフ大統領はこれまでも軍事侵攻には批判的でしたが、ウクライナ侵攻によってCSTOの結束に乱れが生じているとも指摘され、プーチン大統領の求心力低下が浮き彫りとなっています。

この記事を読んで、「なるほど、そうなっているのか!」と思った人は、かなり世界情勢に精通されている方です。

要は、「ウクライナ戦争長期化で、プーチンの求心力が低下し、CSTOに亀裂が入っている」という話なのですが。解説が必要でしょう。

CSTOとは?

CSTO(=集団安全保障条約機構)は、旧ソ連諸国が1992年に作った軍事同盟です。加盟国は、ロシア、アルメニア、ベラルーシ、カザフスタン、キルギス、タジキスタン。

CSTOの目的は、なんでしょうか?ウィキをみてみましょう。

集団安全保障条約機構の目的は、条約加盟国の国家安全保障、並びにその領土保全である。ある加盟国に脅威が発生した場合、他の加盟国は、軍事援助を含む必要な援助を提供する義務を有する。

要するに、一つの加盟国が攻撃されたら、他の加盟国は、協力して攻撃された加盟国を守ると。

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