恥ずかしい内閣。大臣4人が辞任した2022年“機能不全”岸田政権

 

三つ目は、これは少し毛色が違いますが、安倍さんが殺害される衝撃的な事件があり、その余波は実に色々な方向に飛び火していて、最も大きなのは自民党内部に、統一教会と関連団体がその影響を広く、強く及ぼしてきたのではないかと。懸念ということで言えば、過去の自民党が推進した政策の中で、統一教会が自民党に食い込んでいたがために成立したようなものがあったのではないかということ。そこまでまだ今は行っていませんが、そういうことがあります。

これが我々日本の有権者が全体として決めた、我々の意志によって作り上げた政府なのかということに疑問を感じるような事態が生じている。これは「政治の危機」だと思います。それがはしなくも分かってしまったわけですね。しかしその安倍さんの葬式を行った国葬、正確には国葬儀、それを巡って非常に厳しい議論が色々ありました。どういう人にしたって亡くなったので、ご冥福はお祈りしたいと私でも思うのですが、だけど、その人を国葬で送るのが正しいのかどうかについてキチンとした議論もせずに、例の閣議決定で決めてしまった。

閣議決定って、首相の意志ですよ。それ以上でも以下でもない。だって、反対する閣僚がいて、どうしても通したいのであれば、その閣僚を罷免すればいい。つまり閣議決定は民主主義的な手続きのように思えるかもしれないが、総理大臣の、首相あるいは首相とその周辺が自らの意見を通すやり方。こういうの、政治学者は比較検討をしているのではないかと思いますが、ある種の大統領、大統領令的な意味があると思うのですが。

逆に言うと、その責任は岸田さんが全部一人で負わなければならない。閣議と言ったところで。実際、閣議決定する前に、周りの意見も聞かずに国葬にすると決めていたと言われています。そういう総理大臣の暴走的な局面もあった国葬。これには過半数の国民が反対をした。各種調査を見れば明らか。半数を超える人が批判し、反対した国葬を強行したということ、これがあります。

かつて吉田茂さんが亡くなったとき、国葬にするにあたり、やはり反対があった。あれもかなり早く決まったわけですが、そのときと今回と、つまり普通の総理大臣ではない、日本の方向性を大きく変える、決める、整える、そういう歴史的な役割を果たした総理大臣だから国葬にするのだということなのでしょうか。吉田茂さんでも安倍さんほどではないですが、毀誉褒貶ある人ですからね。毀誉褒貶ある存在をどうやって扱っていくかということに関するルール。これが国会で議論されたことはないし、一般でもほとんど議論されなかったと思います。結局、こういう象徴的な行為が行われた。掛かったお金が12億というのはもちろん問題ですが、そのこと以上に大きな問題だと思います。それか行われたのが今年であったと言うこと。

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