中国軍兵士1万人戦死も。米シンクタンクがシミュレートした「台湾侵攻」

 

世界一の戦略家も、中国敗北を予測

台湾侵攻で米中が激突したら、どっちが勝つのか?

いろいろな意見があります。「世界一の戦略家」といわれるルトワックさんは、全国民必読の名著『ラストエンペラー習近平』の中で、重要な指摘をしています。

国防総省のいう「世界一の海軍」とは艦船の数などを指しているが、アメリカの攻撃型原子力潜水艦がたった3隻あれば、台湾海峡のすべての中国艦船を撃沈できるということだ。
(p62)

この指摘は重要です。

たとえばウクライナ戦争のことを考えてみましょう。ロシア黒海艦隊の旗艦「モスクワ」は2022年4月、ウクライナの対艦ミサイル「ネプチューン」で沈没しました。使われたのは、「ネプチューン」たったの2発です。

ルトワックは、この問題をさらに掘り下げます。

現在の海軍の艦船の分類を見ると、フリゲート艦から巡洋艦、輸送艦、強襲揚陸艦など実に様々な分けかたができるが、本当の分類としてはたった二つしかない。それは、潜水艦と潜水艦の標的(ターゲット)だ。この標的のサイズは小さかったり大きかったりするのだが、標的であることに変わりはない。(p130)

実戦というい意味で考えれば、水上艦の価値は、ダンボールでできた船と変わらないのだ。(p131)

というわけで、世界一の戦略家ルトワックさんも、「台湾有事」で、中国は敗北するとみています。

そうはいっても、「台湾有事を起こさないこと」が重要です。そのためには、「台湾有事になれば、中国は必ず負けて、習近平は失脚する可能性が高い」という【情報を】拡散していくことが重要です。これは、おそらく事実であると同時に、習近平が台湾侵攻を決断しない大きなファクターになるからです。

ウクライナ戦争は起こってしまいました。しかし、台湾侵攻が起こらないよう、できることを行っていきましょう。

できることとは、説得力を持って、「台湾に侵攻したら、中国は負けて、習近平は終わりだ」という情報を拡散していくことなのです。

(無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』2022年1月11日号より一部抜粋)

image by: 中華民國海軍 - Home | Facebook

北野幸伯この著者の記事一覧

日本のエリートがこっそり読んでいる秘伝のメルマガ。驚愕の予測的中率に、問合わせが殺到中。わけのわからない世界情勢を、世界一わかりやすく解説しています。まぐまぐ殿堂入り!まぐまぐ大賞2015年・総合大賞一位の実力!

無料メルマガ好評配信中

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 ロシア政治経済ジャーナル 』

【著者】 北野幸伯 【発行周期】 不定期

print
いま読まれてます

  • 中国軍兵士1万人戦死も。米シンクタンクがシミュレートした「台湾侵攻」
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け