日本のアパレルはもう死んでいる。今後「蘇生」する可能性は残されているのか?

 

ヨーロッパは一つの価値観を押しつけます。自分たちが正しくて先進的だと考えています。世界の民族的な文化やファッションを正式なものとは認めず、西欧の価値観を押しつけているのです。

日本人は西欧とは異質の独自文化を持っているだけでなく、民族的な文化を尊重します。各国の民族衣裳で使う生地を輸出していたこともあります。世界各国のニーズに対して、誠実に対応する姿勢があります。そして、現状を改善し、未来に向けて発展する改善能力をもっています。

例えば、イスラム教徒の着用する民族衣裳に対しても、遮熱や体感温度の調整を可能にするようなテキスタイルを提案できるでしょう。その文化を否定するのではなく、より良く改善するという思想があるからです。西欧文化にはこれがありません。イスラム教徒も洋服を着ればいいと考えるからです。

世界の多様性を認め、それを改善することで快適な生活を提案することこそ、日本のファッション業界のビジョンとなるのではないでしょうか。

編集後記「締めの都々逸」

「儲けることが目標ならば 高く会社を売ればいい」

既存のファッション業界は「既に死んでいる」という前提で、今後どのように進んでいけばいいのか、という視点で書いてみました。アパレル企業の社長が儲けても一般消費者には関係ありません。消費者に支持されるアパレル産業とは、日本の国益にかなう産業になることではないでしょうか。

これまでの産業ビジョンはビジネスのことばかりを考えていたような気がします。たまには、文化的視点に立って、ファッションを考えてみようと思いました。(坂口昌章)

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