「売上が伸びない」。悩む飲食店は、接客法やメニュー、販促策でなんとかしようとするのが常ですが、その前にすべきことがあるようです。無料メルマガ『飲食店経営塾』の著者で飲食店コンサルタントの中西敏弘さんは、売上アップの相談を受けると、まず「お店の方針(コンセプト)」を聞くと言います。コンセプトを明確にしたうえでサービスを考えないと、顧客満足度は上がらないと伝えています。
商品、接客、販促ばかり考えていると危険!
「どんな接客をすれば、もっと売上が伸びるのでしょうか?」。僕はコンサルタントなので、ご支援先の社長やスタッフから、こんな質問を受けることが多々あります。そんな時は、必ず、反対に僕の方から質問をします。
「お店の接客の方針(コンセプト)は、何でしょうか?」。と。この質問の意図は、世間で流行っているから、繁盛店がやっているからとそれをそのままマネしても、店の方針に合わなければ意味がないということです。
例えば、店としての方針が、「お客様を元気にする!」ということであれば、接客でやるべきことは、
- 元気な挨拶
- 笑顔
- 声の連携
- キビキビした行動
などが考えられます。
仮に、あるお店の店舗コンセプトが「非日常空間の提供」であったにも関わらず、上記の店が繁盛店だからということで、それをマネしてやると店はどうなってしまうでしょう?
きっと、お客様は、「もっと静かにしてほしい」「元気もいいけど、もっと商品やドリンクに対しての情報が欲しい」などなど、「不満」の方が多くなるに違いありません。
なので、コンセプトが「非日常空間の提供」で、接客もこの方針のもとに考えるのであれば、接客向上のためにやるべきことは、
- お客様に合わせた接客(トーク、対応)
- 商品知識
- 提供方法の工夫
- きめの細かい気配り
などが、店として取り組むべきことでしょう!
だからこそ、ただ「やること」だけに目を向けるのではなく、「方針」「コンセプト」を明確にし、それをもとに「やるべきこと」を考えることが重要なのです。
特に、この考え方は、商品づくりにおいて非常に重要なこと!商品づくりは、どこの店でもついつい「どんな商品をつくろう」と考えがちです。しかし、この考え方をずっと続けていると、上記の接客の例と同じようにいつの間にか、方針からズレ、顧客不満足につながりかねないのです。
商品を考える前に、商品に関しての情報収集ばかりする前に、店の方針(コンセプト)を明確にしましょう!
例えば、「新しい食体験の提供」「気軽に楽しめる和イタリアン(イタリアン料理をアレンジした和食が楽しめる店)」などなど、商品づくりに関する方針を明確にするのです。このコンセプト(方針)が明確であればあるほど、お客様への主張もはっきりし集客アップにもつながるでしょう!
さて、あなたは、店の接客や商品ばかり、つまり、手段ばかり考えていませんか?手段ばかり考えていると、必ず、本来やるべきことを見失いガチになります。そうならないよう、店の方針(コンセプト)を明確にし、それに基づいて接客や商品を考えるようにしていきましょう!
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