日本で地方移住したい人の前に立ちはだかる「仲間意識」という高い壁

Love couple travel together on summer holiday. Outdoor activities and family lifestyle.
 

住みやすいのは利便性でもなんでもない「フレンドリーさ」

人が集まっているから「東京はまだ大丈夫ではないか」と思われるかもしれませんが、今や日本そのものが巨大な限界集落化していく危険を孕んでいます。

書籍にも書きましたが、「駐在員の住みやすさランキング」ではクアラルンプールが1位で、東京は53位です。

実際に住んでみると、利便性や安全性では東京の方が上回るのに、です。この差はソフトパワー、いわゆる、「人々の受け入れ力」なのです。

マレーシアに来るおおくの外国人(国籍問わず)が、「自分は歓迎されている」「友達を作りやすい」と感じているようなのです。

「フレンドリーであること」「オープンであること」の価値は、日本ではあまり重視されていませんが、「新しい教育」では非常に重視されます。この辺は書籍に詳しく書きました。

日本人である私も、地方に住む時は、「なじめるだろうか」と心配します。でも、マレーシアでどこかに引っ越して、その心配をすることはまずないのです。日本人が日本人のまま受け入れられる。世界にはそういう場所があります。

マレーシアは22年のGDPの成長率が過去最高でした。人が集まるからこそ、ビジネスが生まれる時代です。

Malaysia’s economy grows 8.7pct in 2022, fastest in Southeast Asia and best since 2000

そんなこと言うと、「いや日本はこのままでいいから、放っておいてくれ」と言われそうですよね。

そう、実はそのままでよいと思う。他国のGDPなんて本当はどうでもよく、先ほどランキングを出しましたが、いちいち比べるのも、実はそんなに意味がないのです。

栄枯盛衰です。だから英語で繋がった「グローバル社会」とは別の文脈で生きていく。経済成長とは違った幸福を、国民一人ひとりが見つけていく時代になっていくんだろうな、と思ったりします。

※本記事は有料メルマガ『東南アジアここだけのお話【まぐまぐ版】』2023年3月9日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

image by: Shutterstock.com

のもときょうここの著者の記事一覧

文筆家・編集者。金融機関を経て95年アスキー入社。雑誌「MacPower」を経て以降フリーに。「ASAhIパソコン」「アサヒカメラ」編集者として主にIT業界を取材。1990年代よりマレーシア人家族と交流したのときっかけにマレーシアに興味を持ち11年以上滞在。現地PR企業・ローカルメディアの編集長・教育事業のスタッフなど経てフリー。米国の大学院「University of the People」にて教育学(修士)を学んでいます。 著書に「東南アジア式『まあいっか』で楽に生きる本」(文藝春秋)「子どもが教育を選ぶ時代へ」「日本人には『やめる練習』が足りていない」(集英社)「いいね!フェイスブック」(朝日新聞出版)ほか。早稲田大学法学部卒業。

有料メルマガ好評配信中

  初月無料お試し登録はこちらから  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 東南アジアここだけのお話【まぐまぐ版】 』

【著者】 のもときょうこ 【月額】 ¥1,320/月(税込) 初月無料 【発行周期】 毎週 木曜日

print
いま読まれてます

  • 日本で地方移住したい人の前に立ちはだかる「仲間意識」という高い壁
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け