免疫には、ほとんどの生物が持っている「自然免疫」というシステムと、脊椎動物だけがもっている「獲得免疫」というシステムがあります。
細菌やウィルスなどの病原体が体内に侵入したときは、まず自然免疫が活性化し、速やかにそれらを排除しようとします。
自然免疫とは、受容体を介して、侵入してきた病原体などを感知し、それを排除する仕組みであり、生体防御の最前線に位置しています。
ここで活躍している免疫担当細胞は、主に好中球やマクロファージ、樹状細胞といった食細胞です。
その後、自然免疫からの情報を得て、獲得免疫が活性化します。
獲得免疫とは、感染した病原体を特異的に見分け、それを記憶することで、同じ病原体に出会った時に効果的に病原体を排除できる仕組みです。
獲得免疫で活躍している免疫担当細胞は、主にT細胞やB細胞といったリンパ球です。
自然免疫は最前線で活躍してくれていますが、自然免疫も暴走したら、かえって身体に悪影響がでるので、ガラクトース糖鎖が制御しているものと思われます。
なお、ガラクトースは、急速に発達する乳児の中枢神経系の完成に重要な役割を果たすとされています。
(*)ガラクトース糖鎖に関しては、
立教大学理学部、山本美樹PD、後藤聡教授等のご研究のプレスリリース
「免疫力は糖によって調節される!」免疫反応の新しい ON/OFF の仕組みを解明
を参考にしました。
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