2023年は「史上最も暑い年」になる。世界を襲う“熱波”が若者のメンタルを蝕む

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欧州だけでも6万人以上が命を落としたとされる昨年に続き、2023年も異常な熱波の影響を受ける各国。この人類が招いた極端な気候変動は、身体だけでなくメンタルヘルスにも深刻な影を落としているようです。今回のメルマガ『ジャーナリスト伊東 森の新しい社会をデザインするニュースレター(有料版)』では著者の伊東さんが、世界の若者を中心に広がりを見せつつある「気候不安(エコ不安)」を取り上げ、気候変動と心の健康の関係についての調査結果等を紹介。さらに欧州やアジアの一部で見られ始めた、暑さに対する「行動変容」の具体的内容を伝えています。

プロフィール伊東 森いとうしん
ジャーナリスト。物書き歴11年。精神疾患歴23年。「新しい社会をデザインする」をテーマに情報発信。1984年1月28日生まれ。幼少期を福岡県三潴郡大木町で過ごす。小学校時代から、福岡県大川市に居住。高校時代から、福岡市へ転居。高校時代から、うつ病を発症。うつ病のなか、高校、予備校を経て東洋大学社会学部社会学科へ2006年に入学。2010年卒業。その後、病気療養をしつつ、様々なWEB記事を執筆。大学時代の専攻は、メディア学、スポーツ社会学。2021年より、ジャーナリストとして本格的に活動。

世界各地で記録的な熱波。暑さはメンタルヘルスにも影響をおよぼす

日本のみならず、世界各地を記録的な熱波が襲っている。

アメリカ国立気象局によると、アメリカに住む人口の3分の1近くにあたる1億1,300万人近くに対し、何らかの高温に対する勧告が出ている。事実、アメリカ全土では気温は数十年ぶりに高い記録を更新。

テキサス州エルパソでは27日間にわたり最高気温が37℃を超え、1994年の記録を更新した(*1)。

欧州でも同様だ。イタリアのシチリア島の一部では、最高気温が45℃に達すると予想された。サルディーニャでは今月17日、欧州域内で今年最高となる45.7℃を記録。

ほか、イタリア保健省はローマやフィレンツェを含む主要20都市に熱波の緊急速報を出し、暑さ対策を促す(*2)。

今後もイタリア周辺では熱波が続くと予想され、2021年にシチリア島シラクサで観測された欧州最高気温の48.8℃を上回る可能性も示唆されている。

熱波などの異常気象は、アメリカから中国、南欧にいたるまで、北半球全体で観測されている。

7月3日、世界の平均気温は16.69℃を記録し、翌4日には史上初めて17℃を超え、17.04℃にまで達す。また暫定値ではあるものの、5日にはさらに上昇し、17.5℃にまで上がった。

しかしながら、イギリス気象庁と英エクセター大学の気象科学者、リチャード・ベッツ教授は、英BBCに対し、これら熱波は気候モデルの予測の範囲内であるという見方を示す。

「世界の気温が高いのは意外でもなんでもない」

「ずっと前から分かっていたことを、あらためて確認しているだけだ。大気中の温室効果ガスを増やすのを止めない限り、極端な現象は増え続けるだろう」(*3)

専門家らは、すでにエルニーニョ現象により、2023年は世界で最も暑い年になるだろうと予測している。

目次

  • 北米では山火事が
  • 暑さはメンタルヘルスにも影響をおよぼす
  • 迫られる行動変容 ベトナムでは暑さを避け、真夜中に田植え

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