人物として特殊すぎるイーロン・マスク流ビジネスを他人がマネなどできるのか?

 

さっそく本文のなかから、気になった部分を赤ペンチェックしてみましょう。

「手荒にしてくるやつがいたら顔の真ん中に思いきりパンチをたたき込めばいい、そうすれば二度と手荒なまねはしてこないとわかりました。(略)」

「イーロンくんは知的障害だと思われます」先生方によると、いつもぼうっとしていて話を聞いていないというのだ。「窓の外ばかり見ていて、先生の話を聞いてねと注意しても、『葉っぱが茶色くなってきてます』なんて言うんですよ」でもそれって、イーロンが正しいんじゃないんですか、葉っぱは茶色くなりつつありますよねとエロールは返したらしい

「怖いという理由で判断を変えることは絶対にしないんですよ」とピーター。「そのあたりは、子どものころからはっきりしていました」

「ビジネスの勉強をしないと、その勉強をした人の下で働くしかなくなりそうだと思ったのです」とマスクは言う。「物理学を修めて製品を開発することと、ビジネスの学位を持つ人の下で働くのは絶対に避けること、これが目標でした」

揺れがちな感情を鎮めるための方法

・帝国建設型戦略ゲームでゾーンに入る
・百科事典を読みまくる
・パーティに参加する

マスクのやり方は、ありえない締め切りを設定し、なんとかまに合わせろと発破をかける、である

「いやもう腹が立って腹が立って。腹が立つと、私は、問題の枠組みを変えようとするんです」

これは「要件」だからしなければならないと口にした技術者は、マスクにとことんやりこめられる。その要件はだれが作ったのか、と。「軍」とか「法務部」というレベルではなく、その要件を実際に作った担当者個人の名前まで押さえておけというのだ

「リスクを報告し、エンジニアリングデータを見せれば、本人がさっと判断して、責任を我々から自分の肩に移してくれる。イーロンはそういう人なんです」(ブザ)

5つの戒律

1.要件はすべて疑え
2.部品や工程はできるかぎり減らせ
3.シンプルに、最適にしろ
4.サイクルタイムを短くしろ
5.自動化しろ

イーロン・マスクは、あまりに人物として特殊過ぎて、真似できることはないだろうと思っていたのですが、意外や意外、ビジネスに使えそうな思想や原理原則、アイデアが数多く出てきて、これは使える本だと思いました。

ウォルター・アイザックソンが書いているだけあって、娯楽としても超一級の内容です。

400ページ超ですが、面白くてあっという間に読めてしまうと思います。

ぜひ、読んでみてください。

image by: BongkarnGraphic / Shutterstock.com

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Amazon.co.j立ち上げに参画した元バイヤー、元読売新聞コラムニスト、元B11「ベストセラーBookV」レギュラーコメンテーター、元ラジオNIKKEIレギュラー。現在は、ビジネス書評家、著者、講演家、コンサルタントとして活動中の土井英司が、旬のビジネス書の儲かる「読みどころ」をピンポイント紹介。毎日発行、開始から既に4000号を超える殿堂入りメルマガです。テーマ:「出版/自分ブランド/独立・起業」

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【著者】 土井英司 【発行周期】 日刊

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