信者たちの“心の源泉”だったカリスマ「池田大作」の死で創価学会と公明党の弱体化は加速する

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11月18日に発表された、池田大作創価学会名誉会長の訃報。国内最大の新興宗教団体の実質的指導者にして稀代のカリスマの死は、創価学会及び公明党にどのような影響を及ぼすのでしょうか。今回のメルマガ『国家権力&メディア一刀両断』では元全国紙社会部記者の新 恭さんが、池田氏が実権を握る以前は「病人と貧乏人の宗教」と呼ばれた創価学会が、資金集めを活発化するに至った経緯と目的を解説。さらに今後の学会と公明党については、「組織的弱体化は避けられない」と予測しています。

日本支配を目論んだ池田大作名誉会長が逝去。創価学会と公明党に未来はあるか

公明党の創立者である創価学会名誉会長、池田大作氏が95歳で亡くなった。各界の要所に学会員を送り込む「総体革命」で日本を支配しようともくろんだ稀代のカリスマが、死という冷厳な摂理によって大自然のもとに還ったのだ。

この一報を伝えたのは、創価学会が11月18日午後3時、公式チャンネルで配信した「池田大作先生が逝去」と題する動画である。画面には、学会の原田稔会長と、池田氏の長男で主任副会長、池田博正氏の二人が並んで座っていた。

まず、池田博正氏が「母は皆さんに伝えてほしいとのことで」と、池田氏の妻、香峯子氏が語っていた内容を読み上げた。

「…10年以上前に、この後は妙法に説かれる不老不死のままに永遠に指揮を執ると語りつつ、幸い全てを託してバトンタッチできましたので安祥としていました…」

そして、原田会長がこう続けた。

「ただいま、池田主任副会長から突然の訃報を伺い、大変に驚くとともに深い悲しみをおさえることができません」

この映像が波紋を広げている。池田氏の長男が、「永遠に指揮を執る」と語っていた父の逝去を伝え、それを受けて現在の創価学会トップが「池田主任副会長から突然の訃報を伺い」と粛然として語っているのだ。「全てをバトンタッチできた」とは、学会の後継者という観点からみて、何を示唆しているのだろうか。

今年4月27日、NHKニュースは、池田名誉会長がG7に向け、ウクライナ戦争の早期停戦への努力を求めるメッセージを発表したと報じた。池田名誉会長は2010年5月を最後に表舞台から姿を消しており、重病説や死亡説すら囁かれていた。このため国会では「長年、公の場に姿を現していない人物の提言を報じるのであれば、映像を含めた本人の肉声を報じるべき」(浜田聡参院議員)と疑念の声が上がっていた。

それでも、学会員にとって、池田氏が心のよりどころであることに変わりはなく、このニュースは、名誉会長の健在を示すものと受けとめられたであろう。だが、それから7か月も経たないうちに、創価学会はとうとう池田大作という巨星を失ってしまった。

今の学会本部は、東大卒の原田会長を中心に実務派のエリートで固められた集団指導体制だ。トップは原田会長、ナンバー2は長谷川重夫理事長で、ともに御年82歳。その下に池田博正氏ら8人の主任副会長が配置されている。いわば官僚的組織といっていい。

池田名誉会長の姿や声に接することができなくなってからも組織がまとまっていたのは「池田先生に喜んでもらいたい」という強い思いが学会員たちの胸に存在したからである。公明党の選挙における学会員の活発な集票エネルギーはそこから生まれてきたといえるだろう。

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