「安倍さんのおかげで、生活が苦しくなったよ」国民いじめアベノミクスの発案者、リフレ派三流学者の遁走を許すな

 

「賃金と物価の好循環」という嘘

「経済的なゆとり」の感覚が持てず、物価上昇と景気悪化に悩み、国の財政破綻をも不安視する人が6割から7割近くを占めるというのに、どうして政府・日銀はアベノミクス長年の目標「賃金と物価の好循環が実現する見通しが立った」(植田和男総裁)などと嘯(うそぶ)くのだろうか。

直接には、15日に連合労組が発表した今春闘の賃上げ率が5.28%で、33年ぶりの高水準だったことに意を強くしたためと解説されているが、連合が組織するのは全労働者の16.5%、999万人に過ぎず、しかもその3分の2は従業員1000人以上の大企業に職を得ている正社員で、ほぼ富裕層かそれに近い恵まれた人たちである。

植田は、中小企業の実情も調べ、賃上げがそこにも及んでいることを確認したかのことを会見で語っているが、企業数の99.7%、従業員数の67.7%を占める中小企業が政策の中心に据えられた試しはない。

それどころか、3月初に明るみに出た日産の一件が示すように、大企業は下請け中小企業に違法な受注代金の減額を強要して不当な利益を得、その一部を大企業従業員の賃上げの原資にしている有様である。ちなみに、日産は今春闘では組合が求めた月1万8000円のベアを満額回答している。

他方、物価上昇は、一昨年の消費者物価指数2.3%、昨年のそれは3.1%となったが、これはアベノミクスの成果ではなく、戦争とも絡んだ原油高と円安の影響によるもので、しかも、人々の実感が示すように、鶏卵28.7%、外食ハンバーガー14.6%、宿泊料17.3%など身近なものほどビックリするような上昇ぶりで、それに賃金が追いついているとは到底言えない。「好循環」とはどこの話かということになっている。

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