「天下一の茶人」と言われた千利休。いまだに色あせることのない彼の教えは長く受け継がれています。今回のメルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』では、茶道裏千家正教授の米澤喜美子さんが、利休の教えを交えながら「よりよい人生を送るヒント」について語っています。
米澤喜美子さんが伝える日本の心
茶道裏千家正教授として、茶道の心、日本人の生き方を国内外の多くの人々、政財界の要人たちに伝え続けている米澤喜美子さん。
60年以上、茶道の道を倦まず弛まず歩んできた米澤さんに、千利休の教えを交え、茶道が教えてくれたよりよい人生を送るヒントを語っていただきました。
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【──これまで六十余年、茶の一道を歩んで来られた米澤さんが、最も大切にしてきたことは何ですか。】
【米澤】
それはやはり、茶道を通じて、他の国にはない日本文化の素晴らしさを一人でも多くの人に伝えていくという使命感ですね。
千利休に「利休七則」という教えがありますけれども、これを世界的な経営学者ピーター・ドラッカーが高く評価しているんです。
例えば、「茶は服のよきように」は、「お茶は相手を思って心を込めて点(た)てましょう」という意味なのですが、いまの経営学でいう「顧客を大事にしなさい」と同じ意味だと。
また、「花は野にあるように」は、「自然を大事にしましょう」ということですが、これも昨今のSDGsに通じます。
現代人が盛んに大事だと言っていることを、千利休は何百年も前に既に考えていたわけですよ。本当にすごいことだと思います。
【──先人の優れた知恵に学ぶことは、極めて大切なことですね。】
【米澤】
それから千利休は、茶の心を「和敬清寂(わけいせいじゃく)」の四つの文字(四規)に込めました。
「和」は主客が共に和し合って一座を建立すること。
「敬」は主客が相互の人格を認め合い敬い合うこと。
「清」は心を清めることにより自由な境涯に至ること。
「寂」は物に動じない寂然不動(じゃくねんふどう)の心境のこと。「和敬清寂」にも、私たちの人生や仕事をよりよいものにしていくヒントがたくさん詰まっています。
実際にこの四規の大切さを……
※続きは『致知』2024年5月号「第一線で活躍する女性」でご覧ください。米澤さんのインタビューには、茶道を通じて得た生きる知恵が満載です。詳細はこちら
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