中国は大崩壊へ。世界から孤立し輸出産業が打撃を受けた世界第2位の経済大国はどこで道を誤ったのか?

Kunming,,China,-,September,27,,2021:,Aerial,View,Of,Residential
 

不動産市場の低迷などもあり、回復の兆しが見られないとされる中国経済。一時は「アメリカを抜く」とも言われ指導部もその気になっていた中国は、どこで道を踏み外したのでしょうか。今回のメルマガ『j-fashion journal』ではファッションビジネスコンサルタントの坂口昌章さんが、中国経済が成長するために必要でだった施策を考察。さらに世界情勢や日本の今後の予測を試みています。
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/メルマガ原題:2024年、世界と日本の展望

1.中国とアメリカが揃って迎える経済危機

中国経済が崩壊しようとしている。この流れは2024年も変わらないだろう。2024年は、世界第2位の経済大国がどのように崩壊していくかを観察する年になる。最悪の場合、再び文化大革命が実行されるかもしれない。

中国経済の悪化は、コロナ禍だけが原因ではない。それ以前から、不動産バブルは進行していたし、供給過剰も起きていた。コロナ禍が過ぎれば、経済が回復するという説には根拠がなかったのだ。

中国経済が成長するには、人民の所得をあげ、国内市場を育成することが必要だった。企業には内部留保を義務づけ、累進課税を導入し、所得格差を是正する。持続可能な経済のためには必要な施策だ。

中国政府が世界に覇権を唱えるのではなく、平和を維持し、国内経済を成長させていれば、現在のような状況には陥らなかった。中国が孤立することもなかったし、輸出産業が壊滅的な打撃を受けることもなかった。

不動産バブルについても、人口に見合う不動産の供給量を計画するべきだった。それでこそ、計画経済である。しかし、自分で価格を決定した物件を売れば売るだけ地方政府の収入になったのだから、供給過剰に陥るのも当然だ。不動産価格を市場原理でコントロールすれば、これほどの供給過剰になる前に不動産価格が暴落していただろう。

習近平が言う「マンションは住むためのものであり、投資するものではない」という主張は正しい。しかし、その前に行うべき政策を何も行わなかったのだ。

中国が供給過剰に到るまで設備投資できたのはなぜか。不動産バブルに到るまで不動産を買い続ける購入資金があったのはなぜか。これは、海外から潤沢な資金供給があったからだ。米国の国際金融資本は、発展途上の中国に巨額融資を行い、経済成長を促した。米国は中国製品を積極的に輸入し、中国企業の米国市場上場に対しても優遇した。

その結果、中国企業は西側先進国の企業に勝利し、中国政府は米国にも勝利できると確信した。

米国の国際金融資本の資金は中国不動産市場にも流れており、それが地方政府の財政を支えていた。不動産バブル崩壊は、中国の産業と地方政府を支えていた資金の流れを止めてしまった。

中国経済は崩壊し、米国の国際金融資本は莫大な不良債権を抱えている。世界第1位、第2位の経済大国が揃って経済危機を迎えるのだから、世界経済もその影響を免れることはできないだろう。

この記事の著者・坂口昌章さんのメルマガ

初月無料で読む

print
いま読まれてます

  • 中国は大崩壊へ。世界から孤立し輸出産業が打撃を受けた世界第2位の経済大国はどこで道を誤ったのか?
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け