メディア・エンタテインメント事業の内訳
次に、同じく2021年の第1四半期決算の資料をもとに、事業セグメントごとの内訳を見ていきます。上図で、Revenue(売上)として3つに区分されています。(売上の4行目はセグメント間取引として消去される数字です)
1つ目の「Linear Networks」というのは、ケーブルや日本ではBS・CSなどテレビ向けのコンテンツ提供をしています。売上は$7.6B(約7,600億円)でYoY +2%とほぼ横ばいとなっています。
2つ目の「Direct-to-Consumer」が、ネット経由での動画配信事業で、四半期売上は$3.5B(約3,500億円)で YoY +73%と急成長、営業利益はまだ$466M(約466億円)の赤字です。
3つ目の「Content Sales /Licensing Other」は、キャラクターを使った版権ビジネスで、四半期売上は$1.7B(約1,700億円)でYoY -56%、営業利益は$188M(約180億円)でYoY -76%と大きく下げています。
メディア・エンタテインメントの3つの事業のうち、ネット経由の動画配信が大きく成長していることがわかります。
「Direct-to-Consumer」を構成する3つの動画配信サービス
「Direct-to-Consumer」事業に含まれる3つの動画配信サービスを順にご紹介します。
<会員数1億人を突破「Disney+」>
まずは先述のニュースの通り、開始から1年半を待たずして有料会員数が1億人を突破した「Disney+ 」です。
こちらは、ディズニーがグローバルで展開する唯一の定額制公式動画配信サービスです。ディズニー、ピクサー、マーベル、スター・ウォーズ、ナショナル ジオグラフィックの名作や最新作はもちろん、ここでしか観られないオリジナルコンテンツも配信されています。
<ウォルト・ディズニーの子会社「Hulu」>
2つ目は、「Hulu」です。アメリカのHuluはNBCユニバーサルやFOXエンターテインメントとの合弁会社ですが、事実上ウォルト・ディズニー社の完全子会社となっています(日本では、日本テレビの子会社が100%事業を継承しています)。
Huluには、3,540万人のオンデマンド会員と、ケーブルテレビと同じコンテンツが見られる400万人のテレビ会員プランがあり、少し余分にお金を払うと、広告が入らないプランも提供されています。
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